社会の時間に習った時は、社会契約論でした。
気になってはいたのですが、見ておらず。素敵な古本を見つけたので購入してしまいました。
民主主義がまだ一般的でない頃、フランスで出版された政治の在り方に関する本です。
話の中心になるのは、一般意思と言う考え方です。権力者でもなく、欲望に任せた民衆でなく、
人民を保護して自由を守れる、共有の認識を一般意思と言っていて、
それを権力者や法ではなく、社会全体と約束しようと言う話です。
(とてもざっくり)
当時は教会や王様が権力を奮っていた時代なので、大変に弾圧されたそうです。
いまは(一応)民主主義とされているし、少なくとも権力者から理不尽に搾取されたり傷つけられても良い
と言う社会にはなっていないので、歴史の教科書に出てくる程度、と言う感じかも知れませんが、
いま読んでも、ハッとする事が多々あります。
これはルソーが理想的な社会ってこうなんじゃないか。と、18世紀に考えた世界な訳ですが、
今でも、全然届かない。
「一般意思が常に正しいのは、彼らが各個人を自分の事であると思い、全体の為に一票を投じながらも自己の
事を考えているから」
「民衆は自己の利益を欲しながらも、それが何たるかを知らない」
「一般意思は不変であり無垢である」
などなど、みんながみんなの事を考えて、不幸が無い様に暮らす、など、出来たら素晴らしいと思う。
作る事でも、買う事でも、人と関わる事でも。
どこかが潤ったら誰かが貧しくなったり、遠い所で人が悲しんでいたり。
色んな情報がある今こそ、そう言う事を考えるには一番良い時代なんじゃないかと思う。
今の自分たちの暮らしと言うのは世界的に見ても、歴史的に見ても、とても恵まれている筈だと
思う。(少なくとも、物質的な事や命の安全に関する事では確実に)
多少自分が苦労しても、人が豊かになる様な生き方がいいな。
と言うのは、この頃から変わらないんじゃないかと思う。
※あと解説では、ルソーが正義感に満ちた革命家と言うよりは、放蕩し続けて破天荒な所も楽しかったな
(2013年6月15日)