今日会った石神井のおばあちゃんの話 メモ

昔は畑が多い事や建物の関係もあり、掃除は朝、昼、晩行うのが普通だった。
箒は朝、晩は長柄、昼は手箒など使い分ける。
必ず拭き掃除も行い、大変なので子どもも手伝う。女中だけでは足りないし、当たり前の事だった。
板敷の廊下は、猫が歩けばそのお腹が映って見える位に磨いてあるのが普通である。
ほこりなどがあれば着物がすぐに汚れてしまう。拭き掃除をして、溝まで竹串などで掃除する。
どこの子どももはたきや掃除は一般常識として身についているのでちょっとはたきかけといて、などと言われて
他の家の手伝いをする事も多くあった。家によっては、年末にまとめて掃除をする高い場所などもあるので、
気づかずはたいて埃がたくさん舞うハプニングもあった。
夜は掃除をしてはいけないと言われていた。
夜に掃除などしていては、はく音や雑巾を絞る音など周囲に響いてしまい、あそこの嫁はものぐさだと恥をかく。
日中やれば良いことだし、忙しいなら朝早く起きれば良いからだ。
また、掃除の際は机や物などを毎回どかした。四角い部屋を丸く掃くなど非常識だと言われる。
箒の使い方もしつけられ、畳も箒も長持ちする様、穂先でさらう様、丁寧に扱う。
また、はたきは各自、家の布やなどで自分で作っていた。
棕櫚の箒もあったが、柔らかいのは草の箒。長さがあるので切って他に使い道が出来たし、当たりも特に柔らかい。
一本しか箒がないと言うのは相当に気を配らない家で、必ず数本は持っている物だった。
今で言えば、毎日大掃除をしていた様なものだけれど、12月はもっと大がかりで、15日までに障子を張り変えたり、多くの仕事があった。
季節毎に器も変える。
夏ならば底の浅い涼しげなお椀を使ったり、冬場は冷めない様厚手の器など、季節に合わせた食器を使う。
やはり、拘らず同じ器で食べていると言うのはものぐさで、恥ずかしい事だった。
など、一息に話す元気なおばあちゃんに会った。
凄く、綺麗な暮らしぶりだと思います。