箒と詩歌について(と、出展のおしらせ)

ほうきを作りながら何故詩歌?という質問もよくされる(何故ほうき?の方が多いですが)ので、書いておきたいと思いました。取材なんかでも、意外と掘った話が出来ないもので「暮らしを豊かにしたいと思って…(えへへ)」くらいでほわっと終わらせてしまう事が多いので…

作品の説明をする時は、ほうきの歴史だとか、機能、またはコンセプトを説明する事が多いのですが、表現するものの本分は、それ以外の所にあるように思っています。

作品が表現するものは、意味や機能よりポエジー(自分なりのボキャブラリー、と強く前置きしての広義な使い方なのですが)の方が大きいのではないか。という事です。

説明の言葉では、明快な線引きや指向性を示す事が多いのですがおそらく、より大切なのは方向性や定義じゃなくて、そのベクトルのもつ質なんじゃないかと思っている。その、意味を包括する質や雰囲気(というとまたもやっとするんだけど…オーラとかアウラとか言った方が近いかも知れない)が、作品の持つ詩情なんじゃないかな。と考えています。

箒なんかの古い道具も含めて、クラフトと呼ばれている界隈の最大の強みは、人の生活に直結している。生きる営みそのものである事だと思っています。そこに物事を見て、感じて、形にする感性があったら最高なんじゃないか。そんな詩情の、最も純化されているものが、詩歌だったのだと思います。すごく雑なんだけど、道具の対義語は言葉、だと思っている…。

逆に、日常の器や食事みたいに、詩の言葉が暮らしにあれば、最高だな。と思う。特に、日本の育んで来た短詩系は、生活と密接していて、詩歌を作る人々の生き様には、圧倒されっぱなしで…!

(また違う話ですが、美術や工芸がカテゴリとして分化される前は、芸として一緒くたにやられていたんじゃないかなー、とか思う。)

世界中の人が詩人になったら、世界が平和になるはずだ。をモットーに暮らしています。

ここまで堅苦しく直線的には話さないけど、ちょこちょこ、お店でこんな話をしたりする。

楽しく、暮らしています!

次回の出展は、いつもお世話になっている、ディギナーギャラリーさんです。

がっつり、こういう道具とかアクセサリーの販売もするけど、キレッキレの写真とか絵画の展示とか、やってのける辺りがとてもかっこいいお店です!

・「年年歳歳 2018」

日時:2018/12/13(火) – 12/27(火) 休日:17日、25日

時間:12:00-20:00/最終日17:00迄

場所:Diginner gallery workshop