文化とファッションと中和させたもの、を売ること と 展示のお知らせ

Degi Hari

出先で作家さん何人かと話して、クラフトフェアについて話した。どこが売れるとか、どこの雰囲気は良いとか、どこが根付いているとか。

手仕事が根付いて流行ると売れる。という言い方は商売としては全然いいんだけど、幾らかでも、表現という事を加味すると、気になる点はありますね。

根付くとか、流行るという事を考える時に、文化とファッションという問題があると思う。ファッションについて、高橋源一郎は半小説と言っていました。ある程度の物語が作られていて、それを取り入れて、理想的な自我像を完成させていく。ファッションは元来、女性の権利の主張やフェミニズムとも繋がっていた側面もあります。
実際、自分のいる現場では女性のユーザーが多いですが男女関わらず、手仕事の存在や関わり方を自己実現や理想の一部として受け入れられる側面がある様に思う。それはきっと、素晴らしい事です。
一方工芸は、元来ごりごりの男性文化であって、例えるならば、茶道の様な格式高い文化。理念や様式美、フィックスされた側面があると思います。

現場には二極があって(生物的な性別はどうでも良いんだけど)どう捉えて、どこに自分を位置するかという事を考えなくてはならないと思う。コンテンツとして消費するか。固定された観念として強化する方法という捉え方もあると思う。(とはいえ、極の問題なので、大抵は二つの間にある様に思います。)実は、消費する事が悪いとも思っていない。流されるのは辛いだけだけれど、自分の形を作る事は、とても大事。日々変わる事、アップデートされる事も、大切だと思います。ただ、根を張る事と、アップデートしていく事は真逆の動きなので、中和して薄くなっている感じはしています。
言葉を尖鋭化させる事も大切だし、間口を広げる事も大事。よくよく、注意しないと、危険なものだとも思います。

売るという事は、対価を支払って、時間も手間もかけて、合意する事。表現に重きを置くと、別に売れなくても良いっていう話にもなるんだけれど、道具を、買ってもらえる。表現に対してこれほどの評価はないと思っている。何十年も使えますよ。とか言って、人様の人生に関与する訳で、すごく責任の大きな事だと思う。そのビジョンや世界観、未来像や物のあり方が一致して、初めてお金と物の交換が行われる。すごいなぁと思います。表現という次元では多分、どのくらい正確な合意がなされているか。という所に作家の手応えがあって、文化やファッションの力が強大な現場にあると、作家の言語がどんなに弱くても、その強大なサポート(正に虎の威を借る様に)売れてしまう事がある。商売としては、どんどん流行らせてどんどん売りましょうという所でしょうが、作家という肩書きを成り立たせようとするなら、そうなっては殆ど死に体だな。と思う。
いまの時代は、文化よりファッションの方が断然売れやすいらしい。新しい、目新しいものが非難され続けた時代もあったのだとは思います。

それから、土地によって、空気や慣習に違いがあるのも、大切だと思いました。その嗅ぎ分けとか、地の利の活かし方というのは大切で、どこでも同じようなものが増えると考えるはすごく一極支配的で、怖い。コピーのコピーの劣化コピーが増えるという事だと思うんですよね

とか、とりとめもなく考えながら、反映したりしなかったりして制作をしている展示のお知らせです。

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・「handed」
日時:7月6日(水)〜7月24日(日) ※11(月)19(火)
時間:12:00-20:00/最終日17:00迄
場所:digginer gallery workshop
※17日はワークショップ開催

・「サイとあの鳥」展
日程:7月8日(金)〜7月16日(土) 火・水・金・土曜日のみ
時間:火・水・金・土9:00〜17:00
場所:いな暮らし
おなじみ、絵描きのJun sasakiくんとの展示です。たのしくなりそうですよ。

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他にも、色々ありますが、後程公開します!

今年は今のところ、気温や気候に極端な感じがありませんね。健康です。

Degi Hari