2020/11/7
「ふつう」の研究
ごく一部の方に大変反響いただいております論文(誠にありがとうございます)
第2弾を作成していました。
前回、手動でお送りしていたら、地味に手間とコストがかかったので(笑)
送料と封筒分、
BASEからも注文できるようにしました。
https://gatangoton.base.shop/items/35858923
流行だろうが感染症だろうが不況だろうが、腰を据えて作り続ける、というのは変わらないんですが、節目節目に、可視化できるアンカーを打つような、気持ちで作成しています。
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昨年制作した冊子液状化する工芸史は、「クラフト」と言われる言葉の歴史や、ジャンル分けがどのように生まれてきたか調べたものでした。その中で、近年まで大きな盛り上がりを見せていた、そして、私自身が仕事を始めた頃に引き受ける事になった「暮らし系」ブームの中でも「ふつう」ブームについて調べようとしたものです。
「ふつうの暮らし」という文言は、辟易するほど消費された言葉ですが、皆が普通を求める事は、日常が、何かにおいて異常である事ですし、普通が消費される、という事も、通常の意味においては尋常な事ではありません。当初は、暮らし系雑誌の中でも影響力の大きかった「クウネル」について調べる予定でしたが、実はクウネル自身が何か発していたというよりは、そこまでの経緯や、関係自体に力があったと考え、「ふつう」を巡る考えをまとめる事となりました。
雑誌ブームや暮らしブームは殆んど収束し、新型の感染症などの影響で、クラフトフェアのような方式にも、ある程度のピリオドが打たれたように感じています。ある区切りには、その意味を清算していく事で次の段階に行くことができると思い、編んだ冊子です。
視点や展望を開拓するための批評というよりは、できるだけ客観的に、出来事を俯瞰しようとした、調べものに近い内容になっていると思います。
何かと落ち着きのない世の中ではありますが、だからこそ、地に足の着いたもの作りが求められると、確信しています。
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イルドーノさんでの展示会、はじまっています!
「伝統の日常づかい展」二人展
11.7(sat)〜15(sun)
11:00〜18:00
イルドーノ札幌店