お引越し

■ご報告

お会いした方には、ぽろぽろお話しているのですが、奥さんの実家のある札幌に引っ越してきています。ご存知なかった方はすみません。14日に、越してきました。
(お世話になっている皆様、書面でご連絡予定なのですがなかなか追いつかず・・・ブログが先になってしまってすみません。)

まず、最初に聞かれるのですが、仕事は形態、取引共に、変わらず進めています。
お世話になっている皆様には、引き続き、変わらぬお付き合いを戴ければと思っています。(12月、2月にも、早速東京に出張予定です。かえって、前より実家に多く顔をだす様に・・・)
■動機

理由もよく聞かれるのですが、入り口は、子育てですね・・・。子育ては、札幌で、というのが奥さんの予ねてからの信条で、実際、良い環境だなぁというのは、来る前からひしひしと感じていた次第。

ただそう言われてはいはい、っていうだけでもなく(行きかねないんですが)積極的なモチベーションも多くありました。一応、両親どちらの祖父も東京の人で、江戸っ子的な立ち位置なんですが、ずっと東京のTHE・ベッドタウンにいたので、あんまり地元に愛着もなかったんですよね。同じような境遇の一部の人には共感戴けると信じているのだが、地方や地元の実感が無くて、コンプレックスに近いものすら抱えていました。

■その(青臭い)理由

東京そんなに。ってのは、感情じゃなくて、社会の仕組みに抵抗がありました。というか、そこに石を投じるべき場所に自分はいると思っている。大まかに言えば、物の作られ方とか、消費の仕方、生き方の問題だと思っています。科学の発展や大量生産やグローバル化は本当に素晴らしくて、たくさんの命が救われて、人類の夢で、糧で、基礎である事は間違いないと思っている。けれど、そこに、歪みや疑問がある。環境とか政治とか文化とか、まぁ問題が存在しないと断言できる人もいないんじゃないかな。

東京も広いので一絡げには出来なくて、下町の方だとか、府中でも三鷹でも、国立なんかでもいいんだけど、血の通った場所はたくさんあると思っている。けれど、30年ていど住んだ実感として、概観としては、ひたすらに拡張、集積を求めている。っていう意思を感じている。(本当は、土地や人が悪い訳じゃない。行政機関の配置であるとか、経済の仕組みであるとか、土地や人を覆うソフトの問題だと思う)

本当に貧しい村や、過疎地に生まれ育ったり、不利益を体感した訳じゃないので批難は承知なのだけれど、色んな土地をうろうろしてみても、なんとなく、東京は豊かで、上位にある様な引力が凄く嫌だった。というか論理的に承服できていない。(物とか貨幣がいっぱいあれば豊かだと、思想の下敷きにしている人に会うたび、「重商主義かよ!」って脳内でスライディングでつっこみ入れてる)

■私の立ち位置としては

ファッションや経済に関わる人には、最適なんじゃないかな。その文化やシステム自体を否定するつもりはない。というか自分も好きなんですが、手渡しの手仕事かつ、古いものや今の生き方、在り方を見直そうぜ。という型で提案する立場としては、割と不向きな場所なんじゃないかな。と、ずっと思っていました。売るだけなら、数字は出しやすいのかな。とか思う。けれど、10年以上続けてきて、自分の立ち位置は、商売人とか職人の前に、伝える人なんだな。という事が全然揺らぎませんでした。

伝える。とは、相手の状況とのやりとりであって更に、手作りの物は、作れる量が限られている。申し訳ないくらい注文をお待たせしたりするし、目が回るくらい仕事の依頼を戴いたりするのだけれど、着地点としては言葉の量ではなくて質を高める。という方法しかない。ついでに言うと、芸術家タイプでもなかった。人や世間を全部閉じて、籠って作品を尖らせるよりは、どう伝わるか?誰が、どういう風に見ているか?という事にばかり関心がある。そこのプラグマティックなスタイルも変えられない様で、伝わって、人や世界の何かが変わるなら作家でも職人でもパンダでもなんでも良いと思っている。ので、旅芸人みたいになるより、出来ればどっかに、出来れば深く、根を張らなきゃなって思う。

前項とも被るんですが、単純に物と情報が多すぎるっていう話かも知れません。やってても、1人の力ではすぐ何かの色が混ざってきて、言葉にならない。という感じ。平たくいうと、より強く、近くに繋がりたいので、ローカルに仕事を出来ないか。という感じで、それが、奥さんの地元が良いんじゃないか・・・という流れ

■現在の心境

来る前から薄々感じていたんですが、北海道いいとこですね。上述の理由から、思い返せば初めて美術に触れた高校の頃から、不平や不満を解決する方法を表現に求めてきました。が、こっちに来るたび、空気も環境も良すぎてぽろぽろ牙が抜けていくというか、憎しみの根源を断たれて実体が消えていく敵キャラ(分かりづらい例え)みたいになっていて自分が面白いです。

あと、人にもよるとは思うんですが、あんまり東京など、都市の事が気にならないです。単純に遠いってのもあるかと思うんですが(本州渡ってから札幌まで、めっちゃ遠い)、気候区としても、街の成り立ちとしても全然違うので、殆ど別の国の様に認識している。涼しくて、パン焼きやすいです。

ここなら、やりたい事が、出来る気をばしばし感じている・・・(重要)

それから、民俗クラスタ的にも色々楽しいです。(地味に、ホームセンターの竹が根曲がり竹だったり・・・雪対策のシステムだったり。)早く、家の片づけを終わらせてアイヌの勉強をしに図書館や資料館に走り出したいと毎日思っている。

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何かと思ったら、みんな雪囲いにこぞって買っていく・・・地味にたのしい

札幌の古いものは古くて明治以降って感じかと思うんですが、たくさん残っているので寧ろ文化的な感じがしますね。

ちょこちょこ、東京にもいると思うので、遊んでください。

とりいそぎ、以下のイベントに出向予定です。
民藝館展の講評にも行きますよ!

 

【年年歳歳 2016】 Group Exhibition ※10日、ワークショップ
日程:12月10日(土)〜28日(水)毎週月曜定休
時間:12:00 – 20:00/最終日17:00迄
場所:DIGINNER GALLERY WORKSHOP

 

関西蚤の市
日程:12月3日(土)・4日(日)
時間:9:00~ 16:00
場所:JRA阪神競馬場
※入場料200円(競馬場共通)

 

あと、これも毎回聞かれるんですが、東京の家とは断熱と暖房器具のポテンシャルが違うので、こっちの方が断然暖かいです。今日もですが、外気温5℃とかだとたまに暖房切っちゃうくらいでした。

 

今後とも、よろしくお願い致します。