現状と、今できるものづくりの指針

問題なければ「みにぬくの輪」と言うイベントに参加します。
「第2回 みにぬくの輪」
日時 4月2日(土) 10:30~17:00
場所 鎌倉駅前 丸七商店街
 時期が時期なので、一筆添えようかと思いました。(展示中に貼るかは分からないけれど)少なくとも自分の中では可能な限り問題に正面から向かっていて、今はこれがベストだと思っています。
 みにぬくの輪参加に際して
 あの大変な揺れの日も、僕は箒を作っていました。それから、すぐにもこのイベントがあるのも知っていました。 こんな事してて良いのか?そう思いながら、繰り返される恐ろしい映像を見て、そして手を動かしていました。そしてこれほど、憲法第25条の大切さを強く実感したのは初めてでした。
「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」
より豊かな暮らし。生活の在り方。無くなる文化を、繋ぎたい、伝えたい。揺ぎ無い核心と思って僕は箒を作り続けていましたがこの時、そんな物は当たり前の暮らしに胡坐をかいたものだと思った。ご飯が無い。水が無い。好きな人がいない。そんな世界を前にして、同じ事が言えるか。雑貨、特に僕の様な生活用品は、嗜好品と言う側面が切り離せません。今、それを行うべきか?他に考える事があるんじゃないの?そう思っていたけれど、この運営をしている明石さんとメールを見て、こう考え直した。
 被害の少なかった、僕たちの地域ですら、人の暗い面を多く目にしました。多くのデマや、溢れるバッシング、不必要な物資の買占め。不謹慎と言う言葉。でもだからと言って、ここで活動を自粛しようと言うのは違うと思った。だって僕らが見るべきなのは後ろじゃなくて、前でしかない。本当に、すぐ目の前にあった物が、足元から崩された。だからこそ怖い。そしてその分、思いも強い。支援もしたい。
 どんな支援?きっと彼らは、沈んで絶望的な顔のボランティアや、そんな人の物資や、募金じゃない。だから、まずは、以前よりも大きな笑顔を作ろうと思った。後ろから復興を後押しするんじゃない。強靭な足腰で、確実に待つ喜びを見据えて先に立ち、彼らがちょっと慌てちゃう位にぐいぐいと引っ張っていくべきなんだと思う。そして、必ず立ち上がってくるみんなを大きな拍手と温かな笑顔で迎え入れたい。そう思います。
伝統だとか、エコだとか、国産だとかの次元ではない、あらゆる争いや災害、そして輝かしい歴史と共に箒は現代まで生きてきました。日本がこれからも存在する様に。こう言う根っこにある生活用品もきっと、その暮らしと共に存在し続ける。昨日も、今日も、明日も。
 だからこそ、今だからこそ。謹んで箒のある暮らしを提案します。
2011年 3月15日 吉田慎司  
明日、箒を発送するので、その後載せようかと思っていましたが、先の地震で不安な方も増えたみたいで・・・箒でも何でも良いから、一緒にこう考えてくれる人がいたらと思ってフライングで載せました。