落葉樹

新藤兼人の、落葉樹と言う映画を観まして。戦後の安芸の農家の話なんですが、純然たる日本家屋に住んでいてその暮らし振りと健やかさと綺麗さにびっくりする。
背筋の通ったお姉さんとか、無口なお父さんとか、働き者のお母さんとか、お祭りとか、収穫の後の若者が夜遊びにくる風習とか、海水浴に鰻を担いで行って海の家で換金したりとか、秋はみんなで柿の皮を剥いたりとか、丁寧さと健やかさと筋の通った精神性 日々

もともと古いものは好きなわけですが、それを差し引いても美しい暮らし振りと。ほんと豊か

でもいまの暮らしも、過去の人が改善してある訳で、ノスタルジーとか回顧とかは嫌いと言うか無責任な感じがしてあまり好きではなくて、FXでもヘッジファンドでも、そりゃあ市場が暴れてどっかに死人くらいでるだろうなと思いつつも何百万と何千万とか、それ以上のリスクが掛かってたら、利益を取るのは普通と言うか逆だったら気持ち悪い。

変わって、インセプションとか観たら(結構面白かった)変な日本の城とか出て来てそれはそれでかっこよかったりして、日本こんな風なのかなぁとか、これだけ色々メディアがあると混乱するのも当たり前で

どう言う暮らしぶりとか理想を描いて、そこに加担(貢献でも投票でも何でも良いのだけれど)するかと言うのが凄く気になっていて、いつも考えてる。

社会で暮らす以上、何を買っても、食べても、作っても、捨てても、言葉遣いでも、振る舞いでも、何がしかの暮らし方とか世界の形に向けたバイアスが掛かっていて、ほうきを売ると言うのもかなり強い方向性はあれども、まだまだ向き合い方として曖昧さは感じる。何でも、惰性で、翻弄されて、享受するだけで暮してしまいがちなので、ちゃんと、意識した生き方をしたい。

多分、落葉樹の綺麗さと言うのも、そう言う向き合い方の筋の通し方とか、洗練なんじゃないかなと思った。
身の回りに、ポリシーがあって使っているものなど、驚く程少ない。

何を書いているんだろうと思っていたら、映画の感想でした…!
良い映画だったと