イロハニホウキ展(コーヒーの話ばかりになってしまった)

ケトルDM

27日から、東府中のketlleさんで、展示があります!
(相模湖のたねまめさんも、30日まで開催中です)
カッピング教室や試飲会にしばしば行ったりする。ので、勝手に描いていたテイスティングイラストも展示予定。(きっとここでしか披露する機会はない事でしょう・・・)

念願の、というと大袈裟なのですが、普段からコーヒーは、ここ(もしくは下北沢の本店エクスリブリス)でしか買っていません。

普段より、理念や理想というものは、実際の暮らしに着地した時に初めて価値が生まれると考えているもので、道具と同じくらい、食べ物飲み物に関心があります。
正に、命の根幹。

色々な食べ物飲み物の中でも、特に、ここのコーヒーは、自分の憧れるような形態で売っていました。

スペシャルティコーヒーの専門店なのですが、抽出方法はフレンチプレスです。
日本にコーヒーが入ってきたばかりの頃は質も輸送も保存状態も良くなかったとの事で、温度、淹れ方、色々発展してきたそうです。ここに行くまでは、複雑で、硬派な職人さんのイメージがありました。
対するフレンチプレスは、ボダム社がキャラクターに猿を起用するくらい、簡単な淹れ方。お湯を注いで、金網で濾すだけ。豆の旨味や油も全てが出る方法で、その分エグミや苦みも出る方法。だけれど、そもそも木の実なので、未成熟や腐敗した物をきちんと除いてあり、適切に焙煎してあれば、悪い味はそもそもそんなに無いという話で、とても合点が行きました。実際、物によってはコーヒーというよりジュースみたいです。

勿論、良い豆で淹れればどうやっても基本は美味しい筈で、色々なやり方で濃く出したり絞ってだしたりするので、色々あって然るべきだと思います。
ただ、良いものは良いものなので、余計な事を考えずにそのまま受け取れば良い。と、淹れ方や拘りの話はそこそこに、豆の味の面白さや、農園の話なんかをたくさん聞かせてくれて、真っすぐで、とても愛情があるなぁ。と、元々コーヒーは飲めなかったのですが、すっかり通うようになってしまいました。
(豆の質に関しては、スペシャルティに沿った内容ですが、各国のスペシャルティ協会ではかなり客観的で理に適った評価基準が採用されていることだったり、農家の適正価格や発展という事を、倫理としてもビジネスとしても順守している様なので、とても気持ちが良いです。)
ライフスタイルとか、支援じゃなくて、単純に良いものを。と考えたら、この様な仕組みになっている所が、スペシャルティコーヒーかっこいいと思っています。スペシャルティ協会の開催するカップオブエクセレンス、80点以上でスペシャルティだそうです。

ブルマンとか、プレミアムの価値がついて値段が高いものとは違って、流通量があれば、美味しいのにお手頃だったりするのも嬉しいです。ものづくりでも、そういう事ありますよね。

素材を活かして、シンプルに、深く味わえるものを、という様な、仕事をしたいなぁと、思っています。

お店の方も、面白い感じなので、楽しい展示にしたいなぁと画策中です!

ワークショップもあります。
何卒、よろしくお願いします。

個展のお知らせ

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すっかり、更新しておらず。
暖かい新年ですね。心なしか、身体も軽い感じがします。
日々、積み重ねていく仕事ですが、節目は大切にしたいと思っています。
今年も、よろしくお願い致します。

 

1月8日(金)より、相模湖のたねまめさんで個展があります。

【展示概要】

吉田慎司 箒展『ほうきに編み込む物語』
日時:2016年1月8日(金)~1月30日(土)毎週金土のみ8日間
1月16日(土)豆ほうき作りワークショップと短歌朗読会×昭和歌謡Dj 開催
詳細はこちら→

古家カフェ+ギャラリー たねまめ
神奈川県相模原市緑区若柳1170
ランチタイム 11:30-14:30 (要予約)
カフェタイム 15:00-17:00
※企画展中はギャラリーのみのご利用もできます
tel.042-684-9637
http://tanemame.bitter.jp/

 

 

 

オーナーさんは本好きな方でもあるので、何か文学と絡めた展示を、という事で、歌人の石川美南さんの「物語集」を引用した展覧会にする事にしました。

某アーティストの方に、「メディウムの様ですね」と言ってもらった事があるのですが、自分でもそう思います。好きなものは色々ありますが、一直線に惚れ込んで、というよりは、物と物の関係に関心が高くて、相対的に見て魅力を感じる事が多いようです。すごく平たい言い方をすれば、暮らしに寄り添った、出来るだけ単純な道具が良いなぁ、一番伝わり易いのではないか。と思って箒を作り始めました。短歌も、めちゃめちゃ面白かったというのもあるのですが、やはり、今の自分に必要なのではないか。と思って、色々顔を出しています。

これは個人的に、いまのクラフト界隈に必要だと思っている事なのですが、短歌では、鑑賞する際の読みや解釈の探求(またそれらを実作へフィードバックさせること)がとても自然な事として行われている様に思います。元々、明治頃までは工芸や美術という言葉はなく、様々な芸術が茶室でごっちゃになっていたそうで。器や屏風に詩歌が描かれていたくらいなので本当は自然なことなのかなぁとも思っているのですが、作品達が厚みを持つ事や、そのための批評の場は不可欠だと思っています。また、作品を掛け合わせるというのは、解釈の一端になるでしょう。

やり方が安直な様ですが、実用として特化しているものが詩として浮遊出来る事や、逆に、日々の暮らしの中に詩歌が生きるような世界は、とても豊かな事ではないかと思っています。(歌人の方の多くは、実際、歌の世界に生きていますが・・・)

石川さんは、とても活躍されている方なので、私の展示にお借りするにはあまりに恐れ多い方なのですが、勉強会でいつも優しくして戴いておりまして、お願いした次第です。まさかの、朗読会まで開催して戴きます!

たねまめさんも、とても素敵な古民家。ぜひぜひ、ご高覧ください。

 古民家カフェ+ギャラリー たねまめ

山羊の木 (石川さんの、活版印刷と短歌のユニット)