2020/9/23
出張でお会いできた皆様、ありがとうございました。
好きなこと、好きなもの、好きな人にたくさんお会いできて、幸せな時間を過ごせました。
工芸や手仕事については、会うたび会うたび、色んな人と語り尽くしました。展示会やトークイベントも、上々でした!
おそらく、作り手としてなすべきことは変わらない。ハデなお祭りが出来ないなら、ささやかに、確実に手を繋げる人と、確かな歩みを進めていく。という事は何も変わらないし、むしろもっと重要になる。という事を何度も話していました。
でも久しぶりの友人や仕事仲間に会うと、どうしてもコロナの話をしてしまいますね。というのは世間話ではなくて、やっぱりどうしているか。変わりないか、心配になってしまうから。困っている人も少なからずいて、情報交換も、相手の助けになることがあるから必要な様にも思う。
そして、楽しい中でも、何だか出張の中で引きずる気持ちがあった…のは、日本(世界と言うべきか)全体において、根本的な安心感が失われているからだと思いました。どんな人も、うっすらと(時に強大な)不安を抱えているから。ばんざーい!って手を上げようとしても、てっぺんの少し手前で止まってしまう気がする。
美術や工芸や詩の力で、人の暮らしや生き方が幸せになったり、豊かにする事が出来ると考えています。それは変わらないし、変える事もない。ただそれが、幸せをご飯みたいに、もりっ、とお椀に盛る事が出来る力だとしたら、足元が落ち着いていない状態。どうしても、お椀に穴が空いている。という感じがするんですよね。
漏れても漏れても、上から盛りっと覆い隠す事は出来るかも知れない。けれど、穴が空いている事実は変えられない。本当の解決じゃなくて、ストレスへの反応を減らすコーピングや対症療法しか出来ないのでは?と思ったりもする。
でも、そればかりじゃない。という事も強く思い返しました。それは自分の考える限り2つあって…
1つは、工芸や芸術家全般、もしかしたら仕事をしている人、人と繋がる人全てに言えると思うんだけど、まずは自分自身が、心から幸せに暮らす事。表現する事は、人に影響を与えて、背中を見せてしまうものだから。心配や不安があっても、曇りなく、幸せな仕事や生活を過ごす事は、見ている人が、心から楽しい!と思う事に繋がると思いました。
幸い、僕たちは人生を賭けて夢中でやりたい事、突っ走りたいものに出会っていて、落ち込んでいる暇なんか無い人達だから。その在り方を共有するだけでも、吹き飛ばせる雲がある様に思う。
もう1つは、仕事の在り方を見せる事、とも思いました。もちろん、色々な仕事があって、リスクを避けられない仕事も多いように思うんだけど、僕たちは比較的回避できたり、組み立て直しやすい場所にいるように思う。正直、こんな仕事で札幌に住んでいると、あんまり心配する場面もないというか…ほとんど家で作業をしているし、自炊や自家製の調味料や漬物も多いので、元々週一回しか買い物にも行かない。(しかもオープンエアーの八百屋さん)オンラインで売ったり、数を捌くのではなく、限られた人に大切に渡す。というギアチェンジも、大きな会社に比べたら動きやすくて、どうにかやっている人が多い気がします。
もちろん、エッセンシャルワーカーと言われる人も多いんだけど、どうにかして、考えて、動いて、幸せに、安心に、精一杯仕事を出来るように進んで行けたら、それもやっぱり誰かの励ましになる気がするんだよね。そういう仕事や大変な職種に関しては、みんなで考えて、動いて、可能な限りハードを作り替えていかないなと思っています。当座の支援や付け焼き刃じゃなくて、本当に根本から動かせるなら、時間もお金も、いくらでも差し出したいと思うし、できる事はやっていきたい。
久々に行った東京は何だか息苦しい感じもあったけれど、そうやって、考える事にも新たに触れられた気がする。踏まえて、やることも本質も変わらないけれど、少し軸足をずらして制作しようと目論んでいます。(予定ぱつぱつなんで、どこまでずらせるか。って感じもありますが…(笑)
がんばるぞー!ってなりました。
(これも皆さんにエネルギーをもらったお陰です。ありがとうございます!)
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工房からの風、今年は通常開催は無いのですが、今できること、今年ならではの企画が開催されます。今年も、風人としてお手伝いさせて戴きます。
「工房からのそよ風」
10月17日土曜日(1日のみ) 雨天の場合・18日日曜日
(10月16日金曜日18時に発表)
10時から15時
庭園内来場者120名様定員制
※こちらの詳細は、追ってこのブログからお知らせいたします。
開園時は予約制とさせていただく予定です。
ご予約は10月12日月曜日から、こちらも詳細は後日発表いたします。
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「工房からの風」の会場の一部には庭があります。
「「ニッケ鎮守の杜」と名付けられた空間には、「手仕事の庭」という花壇もあり、四季を通じて自然に即した手入れを続けています。
「工房からのそよ風」では、秋の庭をお楽しみいただくとともに、この庭にゆかりのある方々にご協力をいただいて、皆様をお迎えいたします。
風人ブース
br>アトリエ倭 木工 ワークショップ・作品販売
RIRI TEXTILE 染織 制作公開・作品販売
磯敦子+森友見子 綿+再生紙 制作公開・ワークショップ・作品販売
大野七実+小泉すなお 陶芸 制作公開・作品販売(小泉すなおさんのみ)
hyakka 木工 制作公開・作品販売
Anima uni+CHIAKI KAWASAKI 金属 制作公開・作品販売
吉田慎司 ほうき 制作公開・作品販売
庭人ブース
庭の恵み(ミックスハーブ・ミックスシード・ミニ盆栽など)の販売
※ブーケ・生花の販売はありません。
作り手ブース
am 帆布と革のバッグ
きたのまりこ 金属装身具
曽田伸子 ガラス
比呂 陶芸
町田裕也 陶芸
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今年度出展予定作家のうち千葉、東京、神奈川、埼玉、茨城在住の「工房からの風」出展経験作家による展示販売を行います。
感染症予防を重視し、広範囲の人的移動を避け、展開に混乱なく安心して協働できる出展作家による出展です。
日々懸命に、生きることに向かい合っている作家さん達の結晶のような展示会です。
そんな場所で、今年もお手伝い出来る事が本当に嬉しいです。
皆様のご来場、お待ちしております!