10月

■15.16日は、工房からの風です。今年も、風人として参加させて戴いています。
ワークショップをしたり、ブースを作ったり。
中のひとだからって訳では無くて、津々浦々世の中にあるイベントの中では一番推しています。

・「工房からの風
日程:2016年10月15日(土)~10月16日(日)
時間:10:00~16:30
場所:ニッケコルトンプラザ

自分が毎回言うのは、ものすごく言葉がよく通る場所だという事です。
幾らかでも、手仕事の中で作家と名乗る人は、何か世界に訴えたい事があるはずです。何かを変えたいと強く思っていなければ、わざわざ苦労をしてまで、新しい物を作ろうとしないはず。
でも意外と、自身の言葉が何かに引っ張られていないか。言葉にズレがないか。それがのくらいの精度で相手に届いているか。厳密にこだわっている作家が少ないように感じています。それは色んな原因がある。作る事自体が快楽であるし、ネットなどを始めとして、表に出すだけで消化されてしまう欲求もある。暮らしもかかっているのだから、あまり理想ばかりも語っていられない。売れる。というのはとても大事だけれど恐ろしい事で、お金をもらうと肯定された気になってしまう。

ディレクターの稲垣さんがしばしば、真ん中にあるもの。という言い方をする。上に挙げた例は、どれも他者との関係で生まれるもの。だけれど、本当に大切な事は自身の中にある。探す物でもないし、人と比べるまでもなく固有のもので、本当はそれだけ見つめていればやり方や在り方も勝手に定まってくるもの。なんて言うと、イデア論みたいであまりに空想的な気もしていたのだけれど、それがあるんだ。と、ここに関わる中で確実に掴めてきた。
すごいところは、現場にいるスタッフや参加者、来場者が、その存在を概ね共有している所だと思う。毎回、その核心を届ける為に準備がされ、土を耕し、場を豊かにしてきた事が、現場ではひしひしと感じられます。

良いものや生き方がもっと広がっていけばいい。もっと深くに潜っていきたい。その一心でこの仕事を続けてきました。循環、在り方、正しい心、多くの切り口があるのだけれど、そういった弛まぬ向上心や、真に迫る生き方や佇まいを形にできる。その手助けが出来る事は、自身の作品を作る事と同じくらい、幸せに思っています。
今年も、より多くの人にお会いしたい。伝えたい。の一心で、立っていると思います。

■エルメスの展示のお手伝い

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銀座メゾンエルメスフォーラムにて開催中の展覧会「リビングルームⅡ」 ミシェル・ブラジー展の展示に制作協力しました。

ご縁もあり。あと、こんな変な箒作る人あまりいませんよね・・・!
道具でないものを作る、という事に賛否両論あったのですが、自分にとっては、意味のある事だと思いました。

古くからの仕事を活かしたい、伝えていきたいと思うにあたって、まずすべき事は、ただの製品ではなく、職人仕事を言語にする事、メッセージとして変換していく事が仕事だと思ってきました。現代アートやクラフト、分けて考えられがちだけれど、本当は、どれも突き詰めれば人間を見つめ、幸福や調和を目指しているもので、地続きのものだと思っています。今後なんどもある仕事ではないし、言語として、拡張できるところまで拡張してみる事も、ほうきの形を変えていく上で、意味があるはずだと考えました。

海外の箒をまねたりして、勉強にもなりました。

開館日:2016 年9月16 日(金)~ 2016 年11月27日(日)
開館時間:
月~土 11:00~20:00(最終入場は19:30まで)
日   11:00~19:00(最終入場は18:30まで)
休館日: 不定休 (エルメス銀座店の営業時間に準ずる。)
入場料: 無料
会場: 銀座メゾンエルメス フォーラム
主催: エルメス財団
協力: Art : Concept
後援: 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本