今年もよろしくお願いします。

なんだか仕事やら子どもの相手やら、年末年始と、全然投稿できず…2018年も、皆さま大変お世話になりました。

2019年も、よろしくお願い致します。

あまり意識的に語らないけれど、日本には年神信仰というのがあって、新しい年に人や、周囲に感謝する、祝福する、というのはすごくいい習慣だなーと思っています。

2018年最後に読み始めたのは森田亜紀さんの『芸術の中動態―受容/制作の基層』という本でした。

中動態というのは元々言語学の用語だそうですが、メルロ=ポンティなんかを元に芸術全般に応用しています。

能動態→受動態ではなく、ヨーロッパ語圏には動作自体が主体に働きかける時に使われる態があるそうで(すごく雑にいうと、「見る」ではなくて「見える」。とか、「変える」ではなくて「変わる」とかのニュアンスでしょうか)

開いてみて、難しい本かなーとも思ったのですが、短詩系に触れているとスムーズに意味は掴めますね。(主体や客体を敢えて省略するのはよくある事で)

文法上の分類じゃなくて、誰が主体なのかはよくよく考えたい。

「法案が通った」と一言いったって、議会が通したのか、国民が通したのか、時代が要請したのか、マジョリティが押し切ったのか。「通った」という自然に起こったような言い方もするから不思議です。

おそらく中動態のイメージは、手仕事をしている人にも比較的分かりやすい話で…自分1人の力で、なにか作っていると思っている人は、とても少ないんじゃないだろうか。素材の声を聞いたり、従ったり。先達の意志が背中を押してくれたり、自分だけじゃ抑えきれない衝動が、遠くまで連れていったりしてくれる。(んじゃないかと思っています)

作品を、

「全て自らの力で作り上げました。」

ではなくて、

「できました。」

と、作品が自ずと育ったようなニュアンスがあるのも、中動的だなー、とか、思います。

いまの仕事をして多くの方と繋がらせてもらっていて、色んな刺激をもらって、色んな機会やきっかけをもらっています。

できるだけ多くのものに耳を傾けながら、できるだけ多く、深いものと関われるような、一年でありたいです。

まだ詳細が出ていないものも多いですが、2月にはマルシェに出させてもらったり、4月以降は連続して展示会の予定もあります。

今年も、よろしくお願い申し上げます。

『工房からの風』一草一木について

今年も、工房からの風で、風人としてお手伝いさせて戴きます!!

今週末です。

工房からの風

日時:2018/10/13(土)・14(日)

10:00~16:30

会場:ニッケコルトンプラザ屋外会場

今年のテーマは、五行の木火土金水の木。一草一木をピックアップするとの事で、じっくりめ実演、デモンストレーションをします。

毎回思う事ですが、活躍する、錚々たる作家さんに囲まれて身の引き締まる思いです。

一草一木とは、期せずして自分が一番大切にしてきたテーマだと思います。

たくさんの物や情報が流れていく世界の中で、大切なものは何だろう。と、探し続けていました。豊かに、幸せに暮らすためには、本当はそんなにたくさんの物は必要なくて、心から大切に思える一つを見つける事こそ大事だと思っています。

一本の草、一本の木にも生命の循環があり、恵みがあり、宇宙がある。その豊かさに気づく為、手仕事に携わっているのだと思います。

例えるならば、今回出展してくれる作家の皆さんも一本の草、一本の木の様で…

各々、根付いた土地と大気の力を命の限り吸いこんで、身体に行き渡らせ、形にしている人達だと思います。自分の手と、そこから生み出されるものに身を委ねる恐怖と、希望と、背負っている重みは痛いほど分かるので、その一人一人がより本来の姿を結実できるよう、立ち回る風人でありたいと思います。

虚と装飾でつくるもの

今年は、中津箒みんなが忙しくて 初めて、がっつり畑の手伝いに来ています。

たまに身体を動かすと気持ちいいなー

子どもが小さくて、あまり長い本は読めないのだけれど、最近ハマったのがこちらの本でした。

「俳句という他界」関悦史

※お店のブログにも、レビュー書いた

書籍紹介ー「俳句という他界」関悦史さん(邑書林)

とっても面白かった。

主に書いてあるのは、俳句が持つ他界性について。

ブログは、お店の書籍紹介なのでその紹介程度なのですが、手仕事にも繋がる話だな。と、続きがあります。

◆俳句で開く他界

俳句ではしばしば、虚と実の問題があげられています。芭蕉の話でも「虚に居て実をおこなふべし。実に居て虚にあそぶ事はかたし」『本朝文選』

との事。

また、本の中では遊びについても語られています。かつての村の祭りの中では、神に扮して舞うという事がしばしばありました。お祭り好きなら知っているのですが、怖い神様もいるし、コミカルな神様もいます。よく考えてみれば、畏れるものや、信仰するものを真似たり、模倣するというのは大変な事で、かなりの遊び心(?)というには凄すぎるものがある様に思います。

ただ結局、その模倣する、という所に「虚」と「他界性」があるという話でした。

言葉は自然や世界を表現、文字に置き換える為のもので、抽象的な虚にあたるものです。更に季語となると自然を象徴するもの。座の共通言語として背景や文脈を膨大に蓄えた、更に抽象性の高い虚と言えるかと思います。

自らの体験を元に、虚を経由して、定型の中で真実に至る。座の文芸であり、常に他界に開かれている所に俳句の前衛性がある…という話でした。

◆虚飾と手仕事

虚と実、という話で言えば、手仕事で道具を作る、というのは、最も実に近いと感じます。器なら食べること、服なら着ること、プロセスそのもので、直結している。食事、という言葉より、食事を具体的に表現出来るのは器だと思います。

個人的にも実用性、という強さは本当に揺るぎないと思っていて、民具の類も、機能性、必然性という所を主に気にかけています。

そこでいつも、装飾、という事を気にしていました。虚飾、という言葉もあります。完璧に機能性を高めて、余分を削ぎ落とした道具があるとしたら、装飾の要素はないんじゃないの?というのがあって…ただ、こちらの稲垣さんの本の中にも書いてもらったのですが

工房からの風―作る・働く・暮らす・生きる20の工房を訪ねて-稲垣-早苗

装飾も機能。という風に自分は解釈していました。

道具には、自ずから機能があるけれど、その道具が人の暮らしに寄り添う為に、装飾や意匠がチューニングをしてくれる様な考え。

でも、装飾自体にも古代から長い歴史があって、そんなオプション的な扱いじゃいけないという思いも常にあり…この俳句の話を聞いて、勝手にスッキリした次第です。

実から離れる虚 は、無内容なものでは決してなくて、

・世界を遊ぶ事→自然を模倣したり、自然界にはないもの(簡単に言えば直線とか真円とか)を作り出して別の世界を打ち立てる事だったり

・更に、共通言語として他者を繋げる

という様な壮大な役割がある。世界を作る事。他界への道を開くこと。

神は細部に宿る。とか、言葉が一人歩きし過ぎてよく意味が分からないなーと思っていたのですが、細かな装飾・ディテールで何を遊んでいるのか、それは他界に通じているのか。

という事を思うようになりました。

春の展示予定

言いたいことはたくさんある癖に、告知は後手後手になっております・・・!

近況では、アトリエショップを、こつこつ改造したり、
プレーパーク(子どもの遊び場。胸熱!)もちょいちょい行っています。
相変わらず、制作しながら毎日HIPHOPを聴いて(もはやただのハガキ職人)
「アートも工芸も宗教も、ハードコアはいつだってカウンターだったじゃないか!」とか、ひどく雑な事を真面目に考えたりしています。

言いたいことはたくさんあるけど押し付けちゃいけない。韻律に載せて言霊にするんだ!という理念に基づいて並行して詩歌を読んだりしています。
(短歌ばっかりだったんだけど、俳句や現代詩にも手を出し始めた)

あと、聖書にもはまり始めた事も相俟ってパンのお供にワインも好きになり始めました。最近気にしている言葉は清貧です。

とか、色々書いたら広げすぎて不安定な人みたいですが、楽しく暮らしています。北海道にはストーブがあるお陰で、煮込みばっかり作っています。

・・・というさなかの展示のお知らせです!笑

まだ情報公開されていないものもあるんですが、近いのでまとめて。
(後ほど、告知します)
また近づいたら、詳細、投稿したりします。

あんまり手をだし過ぎるので、参考程度・・・のも多いのですが、たくさんの人に会える事は嬉しいです。

あと、まだ詳細でてないですが、5月には、恒例のなんちゃら市も二つくらいありますよね・・・出向く予定です。


◆「中津箒と中村穣二さんの絵を楽しむ展」
日程:3月10(土)〜18日(日)
時間:11:00〜18:00
場所:イル・ドーノ千歳店


◆「素材と工藝」
日程:3月17(土)〜4月1日(日)
時間:12:00〜19:00(日・祝・最終日は18時まで)
場所:器と工藝 コハルアン (旧・神楽坂暮らす)


◆「中津箒」展 (中津箒総勢での出展)
日程:3月31(土)〜4月8日(日)
時間:11:00〜19:00(4日は休業・最終日は18時まで)
場所:knulpAA


◆「武蔵國の籠と紙」※数点・作品協力
日程:4月11(水)〜16日(月)
時間:11:00〜18:00(最終日17時)
場所:space koh

◆4月18~21日 神奈川(ワークショップ+参考展示)

 

◆「台所 展」
日程:4/28(土)-5/7(月) ※5/2(水)のみお休み
時間:11:00-18:00
◎最終日5/7(月)のみ17:00で終了
場所:テノナル工藝百職

 

◆「初夏の色」
日程:5月9(水)〜14日(月)
時間:11:00〜18:00(最終日17時)
場所:space koh

◆5月31~6月26日 岡山(詳細後ほど!)

お世話になっている皆様、ご無沙汰している皆様、どこかでお会いできれば嬉しいです!
悔いのない日々を、おくります

 

 

ラジオ・トークイベント

少し前のものですが、アーカイブがアップされています。
ご拝聴戴ければ幸いです。

◆渋谷のシブヤ大学
2017年10月17日(火)14−14時55分
https://note.mu/shiburadi/n/n405b7f7a4a60

◆札幌・ほうき・つくるもの
PRESENTED ON SEP 30, 2017
IN SAPPORO @ VOL 2
https://www.pechakucha.org/presentations/presentation-4775

今年も、ありがとうございました。

今年最後のアトリエにて。

http://gatan-goton-shop.com/

今年も、1年ありがとうございました。

割と年末年始も仕事をしていたのですが、今年は保育園が休みの間は休みにする事にしました。

昨年冬に札幌へ引越し。次男が1月生まれ。今年の11月にはアトリエショップを開きました。1年とは思えないくらい馴染んでしまった。

根本的には、こっちの方が暮らしやすいなーと思っています。自給率も高いし、人口も多すぎなくて、コミュニティが活き活きしている。

お気に入りの八百屋さんやスーパーもあって、冬は根菜や自家製の漬物がずらっと並んでいます。雪がある事で、自然に沿って暮らしている事にほっとする。

なんで箒をつくったり、何か表現するかって。言いたい事があるからなんだよね。東京にいる時は、子どもの頃から染みついた不満ばかりだった。それは、漠然としたものでした。汚かったりとか、借り物や運んできたパッチワークで出来た街が嫌いで。清らかであるとか、生きるに於ける美しさっていうものを探していた気がします。

札幌も充分都会なんですが、自分が悪い燃料にしていたようなわだかまりっていうのが、旅行も含めてこっちに来るたびに解れていく感じはずっとありました。

だから、ここ1年は、世の中をこう変えていきたい!というよりは、どうしたら、もっと世界が幸せになるだろう。と考えていました。

先日、仲のいい友人と電話をしていて、昔から、1年の抱負は現状維持なんだよね。と言った。それはいつも、やりたい事を残さずに実行して、疑い尽くして、きちんと肯定出来るまで向かい合う様にしているからです。生き方や、道具を慈しむ事。歴史や、文化や、先人に思いを馳せる事。自分の作る動機は、自分の生きる時代や場所が変わるくらいでは揺るがない。と思っていたけれど、今年も変わらず、やっていた事に少し安心しています。やっぱり、少しは不安だったみたい。

お店ができて、歌集をたくさん置けている事が、とても嬉しいです。すごく雑で説明の足りないもの言いなんだけど、人間に必要なのは詩情、ただ一つだと思います。

関わってくれた皆様、これから関わる皆様に感謝!来年も、笑顔溢れる1年となります様!健やかに、お過ごしください。

アトリエショップ

◼️次回の展示

・「工房からの風・風50+展」

日時:2017年12月2日(土)10時~18時

場所:ニッケコルトンプラザ2階コルトンホール

風50+の、記念イベント。いやーすごい顔ぶれです。行けないのが残念…!

早速タイトルについて。

ちょこちょこ、SNSではつぶやいていますが、アトリエショップをはじめました。

東京で、夫婦で開催していた、「がたんごとん」同じ屋号です。

まだペラっとしてますが、HP<<<<<<<< おいおいその他の小売やイベントなどを開催予定。本を売る予定なのですが(店長は奥さんです)、私のたっての希望で、歌集をがっつり仕入れています!(鼻息) 何だか、やりたい事に少しずつ近づいている感じがします。 箒が好き。とだけ言うよりは、生き方全般、心や世界を深めていきたい。のが目的です。 なので、籠でも器でも織物でも好きです。詩歌や踊りも好きです。よく言うんですが、日本美術の転換期に、茶道があると思っていて、カテゴリで分ける訳じゃなく、お茶やお菓子を食べる空間に、工芸や詩歌が一体となっているのがリアルなんじゃないかなーと思っています。 で、パン焼いたり服をつくってみたりしてるんですが、短歌にはずっと向き合っています。文芸や詩歌の中で、短歌が一番良い、というつもりもないんですが、現場の熱意、本気感、歴史など、本当に面白いです。キレッキレの前衛的な若い人もいるし、心に響く生活詠や、政治的なもの。なんでもあります。短詩系は、遡ると古代の歌謡に繋がるもので、本当に、人間を丸っと形にしてくれるなーと思います。 楽しみ!ガツガツ、歌集紹介していきます。

工房からの風、皆様ありがとうございました!


今年も、工房からの風で風人を、やらせて戴いていました。

今回は15回記念展。メセナ、グッドデザイン賞受賞などもあり、企画、気持ち共に大変盛り上がっていました。

始まる前に言えば良かったかな…出会う作家さんには散々推しているのですが…!

作家の成長や発展を目指す事に、全力を注いでいる所が特徴的な場所だと思います。芽を出すための公募で、力をもれなく発揮できるように多くのミーティングや打ち合わせがあって、ステップアップするため、関連の展示や企画がたくさんあります。大きくなった作家さんに出会って、涙がでるくらい喜んでいる稲垣さんに会うと、こっちも感極まってしまいます。

風人は、出展作家さんのサポートをするという事で。ブースの担当や、企画のスペースなど、それぞれの長所を活かして活動しています。

初めて風人をやらせてもらった時から、めちゃめちゃ楽しかったです。大学の頃から、100人くらいとガヤガヤするサークルにいたのでそのせい…?とも思ったけど今回、根本的な目的だったからだと気づく。

色んな所で言っているけれど、箒が好きで好きで箒屋ってよりは、合理的で、洗練されて、無垢な、手仕事と生き方全般を愛している。ただ、それらのある世界の実現の為に、自分が手を動かしたら早いんじゃないかな…という感じなだけで、やっぱり、大切なのは土壌や時代の動きだと思っている。

数回、風人で参加させてもらって、いつもは作家さんを見送ってからジワっとくるんですが、今回は何故か、開場の瞬間にジワっと来た。色んな作家さんがいるけれど、全力でやってる作家さんは長い目で見ると必ず報われているし、我々が、その為に何かを尽くすと、必ず形になる事を経験で知っていたからなのかな…とか、思いました。

で、自分の根本的な目的として、いい手仕事や生き方、暮らし方、の中に、自分の仕事をポンっと、1つ置きたいから、こんなに喜んでるんだ。と、気づきました。

個展より、グループ展が好きです。自分の作品と同じか、自分の作品よりいい作家さんの物が売れたら嬉しいくらいの人です。

全体があっての1つで、1つ1つの洗練で全体が出来る。ってのは、編組品を作っているからの考えかも。とかも思います。

と、前置きが長くなりましたが、今回の担当は言葉のテント。作家さんの愛読書を、コメント付きで集めたコーナーです。

道具は最も具体的で、逆に言葉は最も抽象的。だからこそ、内面だとか精神だとか、深層にあるものに対しては、最も具体的なんだと思います。本や言葉を通して、内側の内側が、生々しく出てきます。作品を、裏側から眺める感じですかね…!芯からやってる作家さんは、どっから見ても綺麗で、ますます感動するという…感じ。かなりディープな、よい企画でした。

工房からの風は、最初から、作り手が文章を書く機会を作っているけれど、それらの結晶(15年の、結晶の純度は重い…!)風50+の展示、冊子も素晴らしかったです。大変な光栄。


言葉のブースは名著も名著揃い。好きな本もたくさん。身体としての書物と、最初の質問 はマストバイですね…泣くかと思った

手仕事全般、先行き不安な所もありますが…こんだけ厚い基盤があるので、全然心配してない。頼れる仲間ばかりで、未来は明るいなぁ、と思います。

皆様、今回も本当にお世話になりました!これからも、素晴らしい世界が続きますよう。

皆様、健やかにお過ごし下さい。
※11月後半、展示も幾らかあります!

・ミニ箒つくりワークショップ「ていねいな暮らしかたを」
日程:11月13日(月) 10:00 – 13:30 ※30日まで、展示販売
時間:〔1回目〕10:00〜
〔2回目〕12:30〜
場所:cafe もりのすみか

 

・「中津箒 展  ― 吉田 慎司の仕事 ―」
日程:11/15(水)- 11/19(日) 16,19日ワークショップ
時間:11:00 – 18:00(初日は12:00 ~)
場所:Galleria kukka

よろしくお願い致します!

9月の展示

なんだか周囲が、まっすぐ自らが為すべき事を見据えて着実に前進し続けている人ばかりで、世の中に迷ってる人とかいなくてこのまま放って置いたら世の中大団円になるんじゃないかとか思いがちなんですが、そうでもない感じもするので敢えて最近気にしている事を言うと、一番気にしている案件は、消費の速度や情報過多だったりする。
超買い手市場というか、どうやったら相手にリーチするか、とか、売れるかを考えるのは前提になっている。良い仕事してたら黙ってても誰かが目をつけてくれるってのは、幻想だと思っている。自分に箒を教えてくれた芳弘さんは、恐ろしい位の技術と革新をした人だったけれど結局廃業してしまったし、そんな職人さんの話は幾らでも聞くから。
量産や回転が進む事と、回転をゆっくりにして密度を高めていく2つの方向があるとしたら、前者はとても強くて、物を吟味したり、深く理解したり、本当の事を考える機会が極端に減っているように思う。

自分の手の届く範囲で作られた物を、手で、可能な限りの重みを持って届ける事が、いまの世界に必要じゃないかと思っている。経済成長も大事なんだけどね。
自分がメッセージを発している。としたら、いまの情報過多の世界の中ではおそろしく小さくて、でも、同じ様な言葉を抱えている人はいて、結局手を繋いで、少しずつ前に進むしかない。と結論づけている。
みたいな話とか、トークですると思います。自分の知る限り、かなりのハードコアな職人の関田さんとの2人展です。(最近の口癖はドープとハードコアなんだけど全部それで表現しようとして安直で良くない)

※あと幾つか展示あるんだけど後ほど…進捗次第、UPします。
(更新しました!)

 

・箒 丁寧に暮らすこと。
日程:2017年9月7日(木)~9月30日(土)
※23日と24日ワークショップ、23夜トークショー
時間:11:00~17:00(水曜定休)
場所:ギャラリーそら

 

・Hihooo! Market
日程:9月25日(月)〜9月29日(金)
時間 : 9月25日 | 12:00 – 18:00
         9月26日〜9月28日 | 10:00 – 18:00
         9月29日 | 10:00 – 17:00
場所: 東京都世田谷区代田5-35-1-2F fog linen work

すごく主観的なもの言いなんだけど


※全然記事と関係ない、おばの父上の写真。かっこいい…

ものを作って人になにか出来る事があるとして、根本的なモチベーションとしては、人を喜ばせる(または豊かにする、幸せにするなど)と、何かを伝える(または守る、伝承するなど)があると思っている。(お金が欲しいと自己満足を除く)芸術全般、宗教から始まっていて、根本的な目的としては、人の幸せを目的としている(またはしていた)ので、喜ばせる。という事と、何かを伝え道理を説くのは、強弱はあるにしろ理念、政治的な行為だと考えている。(大体、評価の物差しも、自分にとって魅力的か、自分の考える理念に適うか、の二択だと思っている。)で、色々見渡した主観なんだけど、この2つのせめぎ合いとか、質と対象のミスマッチで、色々問題が起こるな。と思っている。

ただ実感として政治的な理由、これを伝えるべき!とか、守るべき!とか、理念の共通見解や同意を得るのは凄く難しい時代で、例え真っ当でも、興味のない人にはつまらなくて堅いと思われている。それに、多様性や個人の自由が根本にあるので、押し付けがましい話になったりして、凄く力として弱い。逆に、楽しかったり面白いのが大事!っていうのは同意を得やすくて、力を得やすいんだけど、衆愚政治、という言葉があるように、ただの快楽だけが拡大した時、人が幸せになったり、世界が調和するか。という疑問がある。やっぱり、両輪だと思うんだよね。色んな所で創作とかオリジナルとか言うんだけど、歴史を背負っていないメディアは無いと思う。どんな方法でも、政治性を備えてしまう。(この文だって、日本語文化や、理屈くさい文章や、テーマも芸術や思想の手垢でベタベタになっている)だから、そこらへんも踏まえないと、魅力としても強くなりきらないんじゃないか。本当に楽しくしようって思ったら、その意味や政治性(やメッセージ性、具体的には技術とか歴史だったりすると思うんだけど)も抑える必要があるし、何か伝えようと思ったら、それが人の喜びになってるか。が、大事だなって最近徒然おもっています。坂口安吾が戯作性とか言ってたけど、戯作性がないメッセージは押し付けだと思うんだよね。この記事は全然人を楽しませようとかしていませんが

とか、見知らぬ土地で作家さんとか職人さんとか、ミュージシャンとか、色んな人と話してたら色々思っちゃった。

全然、展示のお知らせとかしていませんが、9月に展示が3つ(?)くらいあったり、注文たまってたり、アトリエ移転計画(ビッグニュース!)があったり、レクサスプロジェクトやら某メディアやら色々あって、ゆるやかに忙しくしています。

また、矢継ぎ早に告知します。という、つぶやき