経済と天職のはなし
初めて、マックスヴェーバー、読んでみました。
『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』。ニュースで高プロだなんだと騒いでいるのもありますが、働き方、仕事の在り方にはずっと興味があります。
すごく雑に言うと、プロテスタントの発生後の、宗教社会学。ルター以降に、資本主義を促進する土壌(文中ではエートス)が生まれたという話でした。
勿論、敬虔なプロテスタントや諸派は、とても禁欲的で、私利私欲とは全く真逆のしていたのですが、行動的禁欲の(ひたすら、神を信じて勤勉に仕事をする)、突き詰めた極限的なストイックさは、中世以前の自由な環境では見られなく、合理化されたプロテスタント以降である。という話を、たくさんの資料や検討を通して示しています。天職(beruf)という概念も、ルターが開発した、との話。
やがて信仰がなくなり、システムだけの形骸化が進んでいくのですが、全てを投げ打って働く雰囲気(エートス)だけが残った。という流れでした。
本の中はヨーロッパの話に限定されていますが、日本では過労死などがよく問題になっている。自らを投げ打っても働く土壌…いくらアメリカナイズされていても、そこまで信心深くもない気はするので…あるとしたら、太平洋戦争以降?などと想像もしました。
calling、という言葉もよく出てきます。特に、敬虔な実践家は職人に多かったそう。確かに、自分の憧れる作家さんなどでは、向こうの世界から呼ばれているのではないか…というほど、真っ直ぐに、美しい世界を見ている方が多い気がします。
敬虔さ、真摯さ、大切ですね…!