吉田慎司・メモ帳
 
 


はじめに

 ほうきを作っています。  
古くからある暮らし、合理的な知恵をとても尊敬しています。
 それらの一つにあたる箒も、産業としては衰退した側面もある物ではありますが、
暮らしを整え、慈しみ、丁寧に暮らす姿は、とても美しい。
ただの道具ではなく、生活や人の在り方に、明快なビジョンを描ける物だと思っています。
 世の中には、めまぐるしく生まれては消える物ばかりですが、五十年先、
またもっと先まで愛せる生活道具や暮らしにこそ、豊かさがあるのでは無いかと考え箒を作っています。

永く使える道具として、堅固に洗練させて行く事
使う人にひたと寄り添える、形や香りを纏う事
どちらも、大切にして行きたいと思って作っています。

自己紹介・アトリエショップより

紹介記事

BLOG

2021/10/6

「手入れと手仕事」




小樽に越してきて、やっと半年ほど。仕事もしながら、すっかりほっておかれていた庭や家屋に手を入れています。
「手入れ」を検索してみると
「手入れ」(デジタル大辞泉より)
1 よい状態を保つために、整備・補修などをすること。「手入れが行き届く」「よく手入れされた庭木」
2 捜査や検挙のために、現場や犯人の居所に踏み込むこと。「密売の現場を手入れする」
どちらもしっくりくる。 庭は、写真の真ん中の木まで、腰以上の笹が生え放題でした。こんなんどうにかなるの…?とも思っていましたが、コツコツ切ると向こうも生き物。後退して、カキドオシなど、違う草がぐんぐんと増えて来ました。 少し手強い場所は、同じ地下茎で増えるドクダミと、1年も経たずに入れ替わりました。

広い敷地には色んな場所があって、一番厄介なのが、雑草を駆逐しようとして砂利を撒いたところだったりする。土の上に広がるクローバーなんかはグラウンドカバーにもなり、草刈り機でいつでも整備できるのですが、砂利の上には低い草が生えず、土が痩せ、根の太くて深い地下茎の植物(しかも背が高い)だけが生えてきて、手がつけられない植生になっている。自然に近い形で、少しずつ関係を変えていくのが理想なのだと思います。

何でも、全部押さえ込もうとすると揺り戻しが大きい。こちらにもある程度都合がよいよいに、植生の中に手を入れて、循環や草同士の植生をシフトしていく感覚。
相手の土壌に勝手に踏み込むのだから、辞書の2番の乱暴さも少し合点が行きます。

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手仕事にも、同じような関係を感じる。
ブルドーザーで全部さらって、一気に入れ変えてしまうのがプロダクトだとしたら、コツコツ関係を変えていくような仕事をできたらと思う。
工芸界隈には、何かを残そう。伝えていこう。変えていこう。という大志を抱く人も少なくないのですが、そうそうすぐに世の中が変わるなんて事はなくて、苦労する事も多い。すぐに結果を求める事は大変ですが、日々の仕事が、ものづくりに、在り方に、手を入れているのだと思います。
それこそ晴れを祈るように、コツコツ手を動かしていけば、だんだんと景色も変わっていくはず。 あれだけ盛大だった笹も、思ったより早く入れ替わるものだから、すごく励みになりました。(とはいえ、クルミを収穫しながら刈った場所の笹をどかしたら、すっかり丸坊主になってしまった…急に変えてしまって少し不安ながら、来年、どんな植物が育ってくるか楽しみです。)
やっと展示のご紹介。ウンガプラスさんは、地元の仕事や歴史と繋がる仕事を多く紹介しています。
初めての小樽での展示会。こちらも場所と関係しながら、コツコツとやっていけたらと思っています。

@unga_plus
【告知】
「永く愛せる道具と暮らし 」
~中津箒・久留米絣~

10/15(金)-24(日) 10days 
11:00-18:00
2021/8/12 「自由研究ー魔女のほうきについて」
 最近、毎年趣味で論文を発行しているのですが、今年はなかなか大きな図書館にもいけず。 別枠で、夏休みの自由研究をしていました。

空を飛びたくて箒にまたがっても、歴史をまたいではいけない
―箒にまたがる事について―
 http://shinjiyoshida.main.jp/broomofwitches.pdf

 
例年は、手仕事や主にクラフト全般に関する事なのですが、今回は本当に個人的な調べものでした。 (しばしば聞かれるので)
また、別のテーマで、ちゃんとしたものも制作予定です。

 「コンテンツとして消費されようとしても、その下では、本当の命が失われていた事を、 人はどこかで知らなくてはいけないように思う。(中略) ものを生み出す人は誰もが、その媒体に歴史を1つ積み重ねる事を避けることは出来ない。 それがどんなに薄い紙一枚だとしても、それが何に紐づき、何を背負い、どこへ向けられているか、 自覚しなくてはならないはずだ。  ファンタジーや幻想やロマンは、人類の偉大な発明であると思う。 同時に、過去の惨劇を学び、歴史を繰り返さない事も人間には必要な事だ。 まして、道具は抽象的な表現ではなく具体的な歴史そのものなので責任は大きい。」

後半より引用
 魔女の箒についてご関心のある方いましたら、ご高覧くださいませ。
2021/6/25
調整 について
 ほうきは暮らしを整える道具だと思っています。整えるものは、物理的なゴミやチリであったり、模様替えのような大きな物だったり、時に気持ちだったり、タイミングだったり。 自身の生活の中で「調整」という事を意識する機会が多かった。 ニュース的な所で言うと、人の流れであったり、人手であったり、予約であったり… (偶然、もらった手紙のなかに書いてあったりもした。)
 ーーーーーー
 最近はじめたことでは、 畑や自然栽培について勉強し始めました。 (竹内孝功さんなど、ベーシックな所から) 雑草や作物の根を利用して循環させていく所、菌や生態の環境を維持して任せる所が、発酵と一緒!と思って楽しく見ています。

 少し前から、健康のために筋トレ(ムキムキするのじゃなくて、キャリステニクスとかストリートワークアウトに近いやつ。お陰で、人生史上一番身体が軽い)をしているのですが、筋トレも発酵に近いなーと思いましたね(笑) トレーニング、食事、休養が三大柱なのですが、筋肥大は回復の過程なので、負荷を与えて、如何にきちんと回復させるか…という。トレーニングで頑張るイメージが強いけれど、メインワークは、総負荷、総食事量、休養の調整でしかないように思います。(調整ばかりやるのだから、それは調子がいいはずだ)

 ーーーーーー

暮らしの形を考える機会が多いのだけれど、手仕事自体、大きな潮流やムーブメントとしては、調整や捉え直しの試みだと思っています。
 
工業の発達と同時に動き始めたウィリアムモリスや、民藝運動、クラフトブーム、などなど…もちろん、切り口は無数にあります。 手仕事が何を体現しているか。個人的には 、自然との付き合い方。消費のあり方や循環。仕事の仕方。ロングライフデザイン。文化や歴史との関わりと気持ち、などなどを意識する事が多いです。

  整体師の方に、「意識する事がすごく大事」と聞いて、すごく、納得した。気付けば変える事は難しくないし、本当に悪いことは、気づかないうちに進んでいって、戻れないところに行ってしまうのだと思う。 結論としては、伝え続けるものは変わらないし、多くのものは繋がっている。作り続けよう…という事でした。
 世の中の形も、刺激や、回復、循環を繰り返して、少しずつかわっていくのだろうな~と思っています。思いや歴史の詰まっているものだから、何か気づいたり、何かの刺激となってくれる道具であったら嬉しい。
 なかなか、輪をかけて忙しくさせて戴いておりまして、展示会のお知らせです!



ずっとお世話になっているknulp(クヌルプ)さん。
地元を起点に、腰を据えて作家さんを紹介し続ける、信頼できるお店です。
お付き合いも長いので、ほうきの事も隅から隅までご紹介してくれて、ありがたいです。
昨年に引き続き、別府籠細工の西本さんとご一緒です。(バンザーイ!)

□編/組 二人展 
日程:2021年7月3日(土)~7月11日(日)7日お休み
時間:11:00- 19:00 (最終日は16:00終了)
場所:knulpaa(練馬・石神井)

 

 

こちらは、二日間のイベント、久しぶりに現場に立ちます。
大学の所縁のある作家さんが集います。
澪工房さんは、無垢材で、とてもしっかりした家具を作るメーカーさん。
倉庫での開催なので、でっっかい銘木に囲まれてクラクラうきうきします。

紹介動画まで!
https://youtu.be/PmyW4RqjN8E


□HOME くらしさいこう 
日程:2021年7月3日(土)~4(日)
時間:10:00~18:00
場所:㈲澪工房 札幌市白石区東札幌2条4丁目8-18



何卒、よろしくお願い申し上げます~!
2021/3/9
ふつうの暮らしとファンタジー


 
テノナル工芸百職さんでの展示会、大きくピックアップ戴きまして、大変恐縮です。 物を売る事と、流行り廃りは避けられない関係にあります。
手仕事は近年、その恩恵も煽りも、多く影響を受けていたように思うのですが、その中で「ふつう」という言葉も多く使われ、消費されてきたように思います。 我々(と、勝手にまとめてしまいますが)としては、かつての暮らしの中に当然としてあったもの。
 そして、現在の生活において幸せに、心豊かに、社会や環境と調和するような道具を、日常の暮らしの中に取り入れる事を「ふつう」としているのだと思います。 ただ正直、後者の「ふつう」は一部理想、というか、言ってしまうとキレイ事みたいな所もあると思います。

 そもそも、美しい、というのは理想に近いという言葉なのだと思います。 作り手のみが触れられる美の世界というのは、サンクチュアリに近い感触があって、ファンタジー染みた面もあると思います。(それなのに、作り手は実際に手を伸ばして触れてしまえる所があまりに恐ろしいのだけれど)
 ネットなんかで「丁寧な暮らし」による強迫観念から離脱しよう!インスタントで何が悪い!というような動きもあって、そうですよね~、とも思っています。それはそう思います。 けれども、こう言った道具の作り手の皆さんは、そういうキレイ事を地で行ってしまう(行けてしまう)凄い人達で、実際に実現してしまう人達で、そこがかっこいい所だと思います。
 ただのノーマル、というよりは、理想像が多分に含まれていたから、流行になった所もあると思うんですよね。でも、夢も理想も描けなくなったら、そんなに寂しいことはない。人を人たらしめるのは、心の豊かさだと思うし、こういう営みの先に健康で文化的な生活があるのだと思うので、これからもガツガツ、真顔で夢を語っていこうと思います。

 そして、そんな夢を叶えてくれる展示会、本当に嬉しく思っています。
何卒、よろしくお願い申し上げます。

以下、テノナル工藝百職さんのインスタグラムよりー

#Repost @tenonaru_kougeihyakushoku
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Kitanocho, Chuo-ku



【3月の展覧会のお知らせ】
長文です。
フライヤーに載せた文章はとっても堅苦しくなっちゃいましたが要は感動したんです。
生きる上でもまだ油断ならない状況で、ものづくりを続けていくのも人によっては大変なわけで、それでも手仕事の力を信じてこつこつとやれることをやっていきたいという思いに心動かされました。



(展覧会フライヤー掲載文)

中津箒のつくり手の吉田慎司さんが、昨年8月に「ふつうの研究」というクラフト冊子を上梓された。
特に、最後の章の終わりの文章が、ものづくりの上での清清しい意思表明と一種のささやかな祈りのようなものを感じて印象的だった。

『イメージの固定化された振り子は、必ず揺り戻しが返ってくる。けれど、ニュートラルで、地域、歴史的に無理のない、普遍的な視点や価値観を得られるのであれば、それは時代や流行に踊らされることの無い、芯のある価値観になるのではないか。(中略)全てが歴史の中の誤差に過ぎないと、ニヒルに構える事は簡単ですが、一度きりの限られた人生の中、できる限り揺るぎない、変わらない、できればスパンの長い価値を作り、そのような場所に立脚したい。人の暮らしや生き方に光を照らす仕事がしたいと思います。そして、確かな手触りを頼りに進みながら「ふつう」の少し先の景色をのぞいてみたいと思っています。』                              ―吉田慎司「ふつうの研究」より抜粋

「ふつう」という言葉やイメージが流行りに乗せられたこともあった。
今ではひとくくりに集約するのは難しいと思われる「ふつう」という概念だが長い時間をかけて多くが蓄積され、風化や自然淘汰を繰り返す内に残るものを、もしかしたら「ふつう」と呼んでもいいのかもしれない。
今、様々な状況や環境が変わり揺らぎ、世界のどこにいたとしても大変なことがある中では、改めて揺るがない足もとや身近なものの存在の大切さにしみじみする。
落ち着かない世の風に吹かれているからこそ、手の中に収まるようなつつましやかなもの、腰を据え地に足の着いた仕事、自然との結びつきを感じさせる手仕事から受け取るものはきっと大きい。
今まで語られてきた「ふつう」から歩みを進め、ちょっと先にあるものもまた見えてくる気がする。
今回の展覧会は私が思う、身近な自然や地域、小さな規模の中でしっかりと根を張りすくすくとご自身のものづくりの樹を育んでいかれている三人のつくり手の皆さんによるものです。


3月の展覧会

ふつうの 少し先の 景色
2021/3/20(土) - 29(月)
12:00-18:00

金城 貴史|木の匙 @kinosaji_kinjo
橋本 晶子|すず竹の籠、ざる @hashimotoakikoworks
吉田 慎司|中津箒 @yoshida_shinji_

初日のみ事前予約制
会期中休 3/23(火)、24(水)
最終日3/29(月)のみ16:30終了

○初日のみ事前予約としていますが2日目以降も混雑が見込まれる場合は変更する可能性もあります(予約詳細は追って告知します)

#金城貴史#木工#木の匙#吉田慎司#箒#中津箒#橋本晶子#すず竹細工#すず竹#craft#暮らしの道具#手仕事#テノナル工藝百職
2020/11/7
「ふつう」の研究

 ごく一部の方に大変反響いただいております論文(誠にありがとうございます)
 第2弾を作成していました。
 前回、手動でお送りしていたら、地味に手間とコストがかかったので(笑) 送料と封筒分、
BASEからも注文できるようにしました。
 https://gatangoton.base.shop/items/35858923
流行だろうが感染症だろうが不況だろうが、腰を据えて作り続ける、というのは変わらないんですが、節目節目に、可視化できるアンカーを打つような、気持ちで作成しています。

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 昨年制作した冊子液状化する工芸史は、「クラフト」と言われる言葉の歴史や、ジャンル分けがどのように生まれてきたか調べたものでした。その中で、近年まで大きな盛り上がりを見せていた、そして、私自身が仕事を始めた頃に引き受ける事になった「暮らし系」ブームの中でも「ふつう」ブームについて調べようとしたものです。
「ふつうの暮らし」という文言は、辟易するほど消費された言葉ですが、皆が普通を求める事は、日常が、何かにおいて異常である事ですし、普通が消費される、という事も、通常の意味においては尋常な事ではありません。当初は、暮らし系雑誌の中でも影響力の大きかった「クウネル」について調べる予定でしたが、実はクウネル自身が何か発していたというよりは、そこまでの経緯や、関係自体に力があったと考え、「ふつう」を巡る考えをまとめる事となりました。
 雑誌ブームや暮らしブームは殆んど収束し、新型の感染症などの影響で、クラフトフェアのような方式にも、ある程度のピリオドが打たれたように感じています。ある区切りには、その意味を清算していく事で次の段階に行くことができると思い、編んだ冊子です。
 視点や展望を開拓するための批評というよりは、できるだけ客観的に、出来事を俯瞰しようとした、調べものに近い内容になっていると思います。
 何かと落ち着きのない世の中ではありますが、だからこそ、地に足の着いたもの作りが求められると、確信しています。

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イルドーノさんでの展示会、はじまっています!


「伝統の日常づかい展」二人展
11.7(sat)〜15(sun)
11:00〜18:00
イルドーノ札幌店
2020/9/23
「いまできること」
 出張でお会いできた皆様、ありがとうございました。 好きなこと、好きなもの、好きな人にたくさんお会いできて、幸せな時間を過ごせました。 工芸や手仕事については、会うたび会うたび、色んな人と語り尽くしました。展示会やトークイベントも、上々でした! おそらく、作り手としてなすべきことは変わらない。ハデなお祭りが出来ないなら、ささやかに、確実に手を繋げる人と、確かな歩みを進めていく。という事は何も変わらないし、むしろもっと重要になる。という事を何度も話していました。

 でも久しぶりの友人や仕事仲間に会うと、どうしてもコロナの話をしてしまいますね。というのは世間話ではなくて、やっぱりどうしているか。変わりないか、心配になってしまうから。困っている人も少なからずいて、情報交換も、相手の助けになることがあるから必要な様にも思う。 そして、楽しい中でも、何だか出張の中で引きずる気持ちがあった…のは、日本(世界と言うべきか)全体において、根本的な安心感が失われているからだと思いました。どんな人も、うっすらと(時に強大な)不安を抱えているから。ばんざーい!って手を上げようとしても、てっぺんの少し手前で止まってしまう気がする。
 美術や工芸や詩の力で、人の暮らしや生き方が幸せになったり、豊かにする事が出来ると考えています。それは変わらないし、変える事もない。ただそれが、幸せをご飯みたいに、もりっ、とお椀に盛る事が出来る力だとしたら、足元が落ち着いていない状態。どうしても、お椀に穴が空いている。という感じがするんですよね。 漏れても漏れても、上から盛りっと覆い隠す事は出来るかも知れない。けれど、穴が空いている事実は変えられない。本当の解決じゃなくて、ストレスへの反応を減らすコーピングや対症療法しか出来ないのでは?と思ったりもする。

 でも、そればかりじゃない。という事も強く思い返しました。それは自分の考える限り2つあって…
 1つは、工芸や芸術家全般、もしかしたら仕事をしている人、人と繋がる人全てに言えると思うんだけど、まずは自分自身が、心から幸せに暮らす事。表現する事は、人に影響を与えて、背中を見せてしまうものだから。心配や不安があっても、曇りなく、幸せな仕事や生活を過ごす事は、見ている人が、心から楽しい!と思う事に繋がると思いました。 幸い、僕たちは人生を賭けて夢中でやりたい事、突っ走りたいものに出会っていて、落ち込んでいる暇なんか無い人達だから。その在り方を共有するだけでも、吹き飛ばせる雲がある様に思う。
 もう1つは、仕事の在り方を見せる事、とも思いました。もちろん、色々な仕事があって、リスクを避けられない仕事も多いように思うんだけど、僕たちは比較的回避できたり、組み立て直しやすい場所にいるように思う。正直、こんな仕事で札幌に住んでいると、あんまり心配する場面もないというか…ほとんど家で作業をしているし、自炊や自家製の調味料や漬物も多いので、元々週一回しか買い物にも行かない。(しかもオープンエアーの八百屋さん)オンラインで売ったり、数を捌くのではなく、限られた人に大切に渡す。というギアチェンジも、大きな会社に比べたら動きやすくて、どうにかやっている人が多い気がします。
 もちろん、エッセンシャルワーカーと言われる人も多いんだけど、どうにかして、考えて、動いて、幸せに、安心に、精一杯仕事を出来るように進んで行けたら、それもやっぱり誰かの励ましになる気がするんだよね。そういう仕事や大変な職種に関しては、みんなで考えて、動いて、可能な限りハードを作り替えていかないなと思っています。当座の支援や付け焼き刃じゃなくて、本当に根本から動かせるなら、時間もお金も、いくらでも差し出したいと思うし、できる事はやっていきたい。 久々に行った東京は何だか息苦しい感じもあったけれど、そうやって、考える事にも新たに触れられた気がする。踏まえて、やることも本質も変わらないけれど、少し軸足をずらして制作しようと目論んでいます。(予定ぱつぱつなんで、どこまでずらせるか。って感じもありますが…(笑) がんばるぞー!ってなりました。 (これも皆さんにエネルギーをもらったお陰です。ありがとうございます!)

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工房からの風、今年は通常開催は無いのですが、今できること、今年ならではの企画が開催されます。今年も、風人としてお手伝いさせて戴きます。




工房からのそよ風
10月17日土曜日(1日のみ)  雨天の場合18日日曜日
(10月16日金曜日18時に発表)

10時から15時

庭園内来場者120名様定員制

※ こちらの詳細は、追って
このブログからお知らせいたします。
開園時は予約制とさせていただく予定です。
ご予約は10月12日月曜日から、こちらも詳細は後日発表いたします。

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「工房からの風」の会場の一部には庭があります。
「「ニッケ鎮守の杜」と名付けられた空間には、「手仕事の庭」という花壇もあり、四季を通じて自然に即した手入れを続けています。 「工房からのそよ風」では、秋の庭をお楽しみいただくとともに、この庭にゆかりのある方々にご協力をいただいて、皆様をお迎えいたします。

 風人ブース br>アトリエ倭 木工 ワークショップ・作品販売  
 RIRI TEXTILE 染織 制作公開・作品販売
磯敦子+森友見子 綿+再生紙 制作公開・ワークショップ・作品販売
大野七実+小泉すなお 陶芸 制作公開・作品販売(小泉すなおさんのみ)
 hyakka 木工 制作公開・作品販売
Anima uni+CHIAKI KAWASAKI 金属 制作公開・作品販売
吉田慎司 ほうき 制作公開・作品販売       

庭人ブース 庭の恵み(ミックスハーブ・ミックスシード・ミニ盆栽など)の販売
※ブーケ・生花の販売はありません。

 作り手ブース  
am  帆布と革のバッグ
きたのまりこ 金属装身具 
曽田伸子 ガラス
比呂 陶芸
町田裕也 陶芸

※ 今年度出展予定作家のうち千葉、東京、神奈川、埼玉、茨城在住の「工房からの風」出展経験作家による展示販売を行います。
感染症予防を重視し、広範囲の人的移動を避け、展開に混乱なく安心して協働できる出展作家による出展です。
 


2020/6/19 「展示のお知らせ」
皆さま、お元気にお過ごしでしょうか。展示会の中止や延期など、苦労されている方も多いと思うのですが、こちらはおかげさまで、変わらず忙しくさせて戴いていました。
 芸術・美術・工芸は不要不急とされてしまうのではありますが、人が人らしく、豊かにあるための必需品だとは思います。
これまで、多くの非常時に手仕事はどうあるべきか。何をするべきか、しないべきか、問われる機会がありましたが、やはり為すべきことは変わらない様に思います。  
箒は(その他の工芸品も勿論ですが)多くの語られ方をされてきました。 環境に配慮した商品として。地域に根付いた、伝統的な手仕事として。現在の暮らしに寄り添う道具として。昔ながらの生活様式や思想を継承するものとして。
どれも間違いではありませんし、特にこういうご時世には、人類が古代から戦ってきた公衆衛生やそのための慣習、信仰などの語り方もできるように思います。(掃除は仏教でも重要な位置づけにありますし、葬儀の中で多く使われてきた歴史は、払う、清めるという精神的な意味と同時に、感染症や衛生という言葉が生まれる前から実利を伴った慣習だったのだと思います。)
でも、それだけとりあげるのは違う気がする。  営業的には、「~を解決するのための箒!」と、分かりやすく切り取って紹介する方が訴求力があるのは確かですが、これらを文化として捉えたときに、切り取る事はその他を切り落とすこと。物事を矮小化する事と思っています。ここは敢えて、美術工芸全般、豊かな世界への道しるべとして、できるだけ風呂敷を広げて携わりたいと思っています。  
 これまでずっと考えてきたこと、いま考えていることは、 思いを巡らすこと。 向こう側に触れること。 大きなシステムや、多くの労働力を利用しなくても、美しいものは近くにある。
 どこで、誰が、どのように、どのような思いで作り、作られていくのか。かつては当たり前だった事が取り戻せれば、不必要な誹謗中傷や、悲しい不均衡、すれ違いは起こらないようにも思っています。幸せな世の中に近づくと信じています。(柳宗悦も、社会の構造の話は散々してたけどね) 土地土地の培ってきた慣習や歴史や背景が、自然な生き方、在り方を教えてくれる。環境、流通、消費、生活様式など、道具の向こうにあるものに気持ちを寄せ、鑑賞や感性に耐える力のある工芸は、道具がどこから来て、どのように使われ、どう進んでいくべきかを考えさせてくれるように思います。 まだまだ自粛がちのイベントで、大手を振っておいでください!とは言えないような状況もありますが・・・ウェブショップもありますし、そもそも多く作れるものでもないので、気軽な気持ちで、無理なく、手に取って戴ける方にご来場戴ければ嬉しいです。
 必要とされる方に届いてくれると信じて。






器と工藝 コハルアン
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 『美しい初夏の私』 2020年6月18日(木)~7月3日(金)
*最終日は17:00まで
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■ 出品作家
□ 仕草 佐渡勝行(染色 手ぬぐいと布小物)
□ 吉田慎司(中津箒 小帚)
□ 大内学(ガラス)
□ 川合孝知(九谷色絵 小皿 : 6/20より展示)
□ 矢口桂司(陶 豆皿)
□ 長戸製陶所(砥部焼 そば猪口等)
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会期中はソーシャルディスタンスを保つため、店内滞在人数を五名以内とさせていただきます。 時間帯によっては、ご入店をお待ちいただく可能性がありますことをご了承くださいませ。
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編/組 二人展 有製咲処(別府竹細工)・吉田慎司(中津箒)
日時 2020年7月4日(土)- 7月12日(日)*8日はお休み
時間 11:00- 19:00 (最終日は16:00終了)
場所:knulpAA gallery

人は古くから身近な素材を編み・組み、ものづくりを行ってきました。 その技術的・装飾的な魅力を継承しつつ現代の生活スタイルに合う身近な道具をつくる二組の作家による企画展。 ぜひご覧ください。


過去のブログはこちら

 

 


吉田 慎司

略歴
1984年 9月生まれ、東京練馬で育つ。
2007年 武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒業。
中津箒に出会う。元京都支店の職人に箒を学ぶ。
株式会社
まちづくり山上入社。以降、展覧会、ワークショップ、講演、クラフトフェアなど、全国で展開。

「鉄砲屋」 チケットエキスパート下北沢店
2008年  
9thSICF スパイラル青山
鉄砲屋part2 下北沢ビル5F
若い力創造する暮らし展 工藝サロン梓
東京の伝統工芸品チャレンジ大賞 出品江戸東京博物館
2009年  
東京アーティストマンションmini shop 渋谷、仙台、松本パルコ巡回
10th SICF  招待出展 スパイラル青山
夏休みルーム Nroom art space
広島アートプロジェクト 「いざ、船内探検!吉宝丸」展
2010年  
芸工展  
まつもとクラフトフェア  
ボーイズ展 ミームマシンギャラリー
2011年  
丁寧ナ手仕事  ギャラリーみずのそら
ほおきのある暮らし 五感肆パレアナ(神楽坂)
ほうき展  knulpAA(石神井公園)
工房からの風 ニッケコルトンプラザ
手の先の道具展 poool(吉祥寺)
2012年  
kinomama展  やよい荘(洗足池)
こどものための工芸展 安曇野ちひろ美術館
ほうき展 knulpAA(石神井公園)
2DAY SHOWS  found MUJI(青山)
ほうきと暮らしによりそう道具 poool (吉祥寺)
和みの道具展 南昌荘(岩手)
中津箒 展  匙屋(国立)
2013年
うつくしいくらし 展  まれびと(神保町)
「はるのそら」「初夏のたより」 ギャラリーそら(鳥取)
箒のある暮らし展 りげんどう(西荻窪)
ヒナタノオト工芸帖 ヒナタノオト(日本橋)
手仕事出張所  (福島・宮城・秋田・青森巡回)
美しいくらしの道具・手のしごと展 青玄洞(札幌)
吉田慎司×玉蜜 展 poool(吉祥寺)
日本の箒 展 五感肆パレアナ(神楽坂)
2014年
きれいに暮らす テノナル工藝百職(京都)
安齋 新・厚子 陶磁 | 勢司恵美 竹 |
吉田慎司 箒 作品展
ヒナタノオト(日本橋)
My Found MUJI 2 有楽町Found MUJI 青山
はけのおいしい朝市 vol.56 江戸東京たてもの園
ほうき展 knulpAA garelly (石神井)
東京蚤の市 京王閣
『工房からの風』からー50人の手仕事展 三越本店
箒と絵と言葉 展 ギャラリーみずのそら
工房からの風 ワークショップ&風人
ほうきのいろは 星と森と絵本の家 お話会
シロクマ.  シロ. 国分寺
2015年
「ものと暮らす」展 Diginner gallery workshop
「第67回  はけのおいしい朝市」
「民藝展」 山形市民会館
暮らしのカタチ 
カタチプロジェクト×東北の手仕事」
(福島・宮城・秋田・山形・青森巡回)
「きれいに暮らす」-初夏の道具展-- テノナル工藝百職(京都)
「日々のヒカリ、一粒のヒカリ」 ヒナタノオト
「 &SCENE手創り市 ワークショップ」
東京蚤の市 東京オーヴァル京王閣
初夏の部屋 space KOH
吉田 慎司 の 手しごと展 ギャラリーそら
「ちいさな箒作りワークショップ」 HOUSE YUIGAHAMA
「小さく便利なほうき作りワークショップ 」 COOK COOP BOOK
「シロ.出張販売 in teto」 Ceramic room teto
「詩情のある暮らし」 神楽坂暮らす。
工房からの風」からー50人のクリエーション 日本橋三越本店 
「いまどきの、おひつがある風景。」 CLASKA Gallery
「ウイスキー呑めば呑むほどとろけてく私の思いに虫ピンを刺す」 バールブラザーズ
「年年歳歳/ねんねんさいさい」 DIGINNER GALLERY WORKSHOP
2016年
「ほうきに編み込む物語」 ギャラリーたねまめ
「中津箒をつくろう!
~手しごとの素晴らしさに触れる~」
d-labo 二子玉川
イロハニホウキ kettle
「春のくらふと市」 大泉生活文化研究所/時遊空館●SPACE結
「ととのえる道具」 神楽坂 暮らす。
まいにちの台所 手しごとの器・道具 テノナル工藝百職
「くらす市
「てのひらのスーベニール」 神楽坂 暮らす。
「民藝のゆかり展」 ヒナタノオト
「初夏の色」 space koh(西東京市 柳沢)
「handed」  digginer gallery workshop
「サイとあの鳥」 いな暮らし
「禅 と 中津箒づくり ~ 日々の暮らしの中にある「美しさ」について考える ~」 d-labo 二子玉川
もえぎ家 豆ほうきワークショップ もえぎ家
Late summer~五人の手仕事~ mAAch ecute 神田万世橋「佇マイ」
工房からの風 ワークショップ&風人
陣馬山麓アトリエ展 アトリエサリヒラフ
「ほんもの展vol2」 アトリエテンポ
「年年歳歳 2016 Group Exhibition」 DIGINNER GALLERY WORKSHOP
2017年
中津箒展 ギャラリー青らんぎ
染の小道 器スタジオTRY
昭和のくらし博物館 実演&トーク 昭和のくらし博物館
社会デザイン力研究会・発表 立教大学 社会デザイン研究所
「春のくらふと市」 大泉文化研究所
Workshop & Pop-up store展【てまえみそ】 Diginner Gallery Workshop
「初夏の色」 space koh
箒 丁寧に暮らすこと。 ギャラリーそら
「籠屋と箒屋」 okeba gallery & shop
Hihooo! Market fog linen work
シブヤ大学・ワークショップ
工房からの風」風人
陣馬山麓アトリエ展」  アトリエサリヒラフ
「中津箒 展  ― 吉田 慎司の仕事 ―」 Galleria kukka
「ていねいな暮らしかたを」 cafe もりのすみか
「工房からの風・風50+展」 ニッケコルトンプラザ
「年年歳歳 2017」 DIGINNER GALLERY WORKSHOP
2018年
「中津箒と中村穣二さんの絵を楽しむ展」 イル・ドーノ千歳店
素材と工藝 器と工藝 コハルアン
「武蔵國の籠と紙」※作品協力  space koh
「台所 展」  テノナル工藝百職
「初夏の色」 space koh
「たねまめマルシェ」  cafe たねまめ+正覚寺
「工房からの風」(風人) 
「陣馬山麓アトリエ展」
「年年歳歳 2018」 Diginner gallery workshop
2019年
@Marché(あったマルシェ) 旧三井銀行小樽支店
「詩情と暮らし 展」 ヒシガタ文庫
「初夏の色展」 space koh
「編/組 三人展」  knulpAA gallery
「静かなる手の仕事」 コハルアン
「鴨々川ノスタルジア」 新栄寺
「えらべる箒」展 カゴアミドリ
「手の気配」 テノナル工藝百職
Takumi Craft Connection –Kyoto by LEXUS New Takumi Project 京都新聞ビル 地下1階
年年歳歳2019 DIGINNER GALLERY WORKSHOP 
2020年
@Marché(あったマルシェ) 旧三井銀行小樽支店
te to te Marche スイノカゴ
「伝統の日常づかい展」 イルドーノ
『美しい初夏の私』 コハルアン
『編/組二人展』 knulpAA gallery
『吉田慎司の手仕事』展 ギャラリーそら
「伝統の日常づかい展」二人展 イルドーノ
ほうきのこと+詩歌 もりのこと
それぞれの箒展 カゴアミドリ
箱と手仕事展 klum
   
2021年  
ふつうの 少し先の 景色 テノナル工藝百職
とっておきの一品  ギャラリーテトテト
「中津箒と白樺かこRetattat」展 Galleria Kukka
   

2021 「ISM」2021年12月18日NHK北海道「ぶらりみてある記」出演
2021 「ISM」2021年8月号掲載
  L2nd (エルセカンド) │ FM NORTH WAVE 出演
  「こぎん刺し教室成果展」 座談会
  『民藝』2021年2月号・寄稿「日本民藝館展応募への理由と意義」
  「ミンゲイサイコウ」寄稿・「主張する箒と無銘性
2020 ことばのいばしょ展 詩歌選定 札幌芸術文化交流センターSKARTS
  小左誠一郎 句集「101」 座談会掲載
  法政大学出版局「掃除道具」掲載
  HTB「1×8いこーよ!」出演
2019 3/19朝日新聞 「北の文化」に寄稿
  ウェブマガジン『カイ』にて紹介
  4月北海道新聞「さっぽろ10区」(白鳥陽子)にて紹介
 

5月北海道書店ナビにて紹介

  AIR-G「ミカコマガジン」内にて紹介
  朝日新聞 掲載
  6月AIR-G「ジャスミンエクスプレス」にて紹介
  HTB「イチオシ!!」にて紹介
  11月『HO』にて掲載
2018 「nice things.」にて掲載
「nice things.」にて掲載
AIR-G「sparkle sparkler」 にて紹介
北海道新聞にて掲載
HBCラジオ「カーナビラジオ午後一番」
共同通信にて紹介
日刊スポーツにて掲載
10/25発売poroco別冊・雑貨本に掲載
BRUTUS「札幌の正解」にて掲載
2013 nid」vol.30 「工藝百職」紹介ページに掲載。(2013/12)
しんきんカード会員向け情報誌「はれ予報」(2013/12)
フジテレビ『Happiness is ・・・!ハピネスイズ』出演(2013/12)
季刊「住む。」47号、「gallery らふと」の特集ページ 掲載(2013/11)
天然生活vol.103 ヒナタノオトにて紹介。(2013/8)
CREA 3月号の特集「あなたの部屋はもっと美しくなる!」
スパイラルペーパーno.132 SICF特集 掲載。
2月20日発売「nid」vol.26 の「伝統をつなぐ手」
2012 リンネルZAKKA (e-MOOK)
工房からの風―作る・働く・暮らす・生きる20の工房を訪ねて
BSフジ「Table of Dreams ~夢の食卓~」
#79「中津箒が伝える暮らし」出演
朝日新聞、多摩地域の折込タウン紙 アサココ掲載
クウネルvol.54(2012/3) 掲載
自休自足 2012 / vol.37春』の92~93ページ掲載
「ソトコト」掲載(2012/2)
もっと!!東京の手仕事― (えるまがMOOK ミーツ・リージョナル別冊 東京篇)
2011 WEDGE 「にっぽんの100人の青年」

 

受賞歴  
2007年 第51回ちばてつや賞佳作受賞。(講談社)
2008年 SICF(スパイラルインデペンデントクリエイターフェスティバル)準グランプリ受賞。
2011~ 日本民藝館展入選または準入選
2017年 LEXUS NEW TAKUMI PLOJECT 2017年度匠 神奈川代表
2021年 2021年度日本民藝館展協会賞受賞