展示会のお知らせ・最近考えていること

色々とせわしない世の中ですが、四月は展覧会が2つあります!

こちらは、札幌在住の、山根広充さんとの2人展。家具や、雑貨、自然派ワインなども販売する、イル・ドーノさん千歳店での展示会です。

「伝統の日常づかい展」
日時:4/18(土)〜4/26(日)
時間:11時〜18時 (21日はお休み)
場所:イル・ドーノ千歳店(北海道)
※25日、ワークショップ

「吉田慎司の手しごと展」
日時:4/2(火)〜4/29(水)
時間:11時〜17時※水曜定休・29は営業
場所:ギャラリーそら(鳥取)

いつもお世話になっている、鳥取のギャラリーそらさんです。商店街の中にあって、すぐ近くに民藝館もあって、楽しいです。なんと、7周年記念展…!
ありがとうございます。

作ったものの意味っていうのは手に取った人それぞれが好きに考えてくれたらいいんだけど、あんまり色々な読み解き方があるので、出来るだけ、何を考えているか発信しようと思っています。

・最近は、時空について考えていました。
(すごく、中二っぽくて悪くない)
インターネットや情報が発達して、場所や時間の壁がなくなると言われて久しいけれど、本当に実感しています。

本、映画、音楽。新しいもの古いもの、遠くのものが本当に簡単に手に入る。

ある本について気になったら、検索して作者や図書館や古本屋の在庫が分かり、その背景や解説、論文も調べられて、手に入らないものは国会図書館でコピーをお願いしたり出来る。海の向こうのものも手に入る。

映画も、クレジットや過去の作品、キャストなど、ネットがなかった頃の調べ方は途方もなかったろう…と思うし、音楽も、2000年代生まれの方が80’sにめちゃめちゃ詳しい、なんて普通の(まぁそれなりのディガーではある訳だが)事だな、なんて思う。

・自由で、恐怖でもある
それは悪いことばかりではないんだけど、作り手には手強い。隣り合う過去のクラシックと至近距離で並べられて、それでも新しいものを…!と、渡り合っていかないと行けないからだ。
道具は、半消耗品でもあるのでまだ良いけれど、プロダクトなんかも含め、色々なものやスタイルと渡り合っていかないといけない。(もちろん、芸術活動としてやっている人が新しい作品を作ることに疑いの余地はないのだけれど、自分も、長い時間引きこもって、ネットで岩波文庫を注文して端から全部読んだらおもしろいだろうなー、とか、ヌーヴェルヴァーグとかATGの映画をコンプリートしたい、みたいに夢想したりする。)

・寄る辺がなくなってしまう
そこで反面、数年前から文脈や体系について考えている。そういうクラシックに紐づく体系がある事は、いい事もあったし、悪い事もあったのだと思う。

何がしかの文脈や体系に分けるというのは、手仕事で言うとクラフト、とか、暮らし系、とか民藝、と言う事だったり、音楽でもジャンル分けをしたり、単体で聴くんじゃなくてアルバム単位で鑑賞したり、何かのランキング・流行として捉えたり…という事が、無くなったことは全くないんだけど、時空がボーダーレスになる事でバラバラで受け取られることが増えたんじゃないかなー、と思う。寄る辺がなくなってしまった。とも思う。

・船団に守られない
ある強い文脈で語られる、というのは、護送船団に似ている気がする。あそこに出れば有名人!とか、あそこの仲間になれば安泰!とか(でも決してそんな事はない。)
それは結集した力、とも言えるし、しがらみや暴力になる事もあるように思う。
肌感覚で言ってしまっているけれど、かつての登竜門や狭き門、を通らなくても、やり方が無数にあるっていうのは、どの芸術分野でも言えると思っている。

・改めての量より質
これは東京を離れたこととも繋がるんだけど、頑張って大きな樹や場所にしがみついても仕方ない。と思っている。たぶん、その幹は想像より弱くなっているし、周りにたくさんの魅力的な林あって、ただ大きいという事の意味が薄くなってしまった。

大きさで選べないなら全部好み?と言われるとあまりに心許ない。人生の殆んどの時間をここに投げ打つ訳だから、全部趣味嗜好の違いで片付けられてしまうと困る。おそらく「質の良い」ものが必ずあるはずだ。
ここで文脈というのはすごく役に立つ。これはこういう成り立ちでこういう育ち方で、こういう事に向いた樹です。と、説明できる。要は大きさ=サイズや量ではなくて、質の問題(もう逆に恥ずかしくもないくらいに使い古されている)になってくる。
規模や話題性、見た目ですぐ分からない質をどう証明するか?というと、信用の問題でしかない。どこの先生が言っていたから。有名人が言っていたから。テレビで言っていたから。それが全てでもない事がすっかり分かってしまった。最終的に、一番信用できるのは、近くの知り合いや仲間だな。と思う。(これもまた、あまりに幼稚くさい言い方である…)

・そこで、これからやるべき事と意義
昔から、街の箒屋さんっていいよなー、と思う。知り合いのレベルの人は信用できるし、文化が根付いているという事で、背景や未来に確実に繋がっているという事だと思う。知り合いのものだから良いもの。というのはすごく嫌だけど、知り合いだからこういう欠点はあっても嘘はついていない。の方が安心できる。
ものの作られ方としても、中央集権的に大きな樹に集めるより、大きくはなくても、近くで信頼、安心できるものや情報が大切になるように思う。自分は自分なりにいいものを作ってきたし、これからも作っていきたい。だから、信頼できる人に託していきたいし、その関係を広げていきたいな。と思う。

今後とも、よろしくお願い申し上げます。
関係してくれている方、皆様に愛をこめて。

工房からの風

今週末は、いよいよ、工房からの風です。

http://www.kouboukaranokaze.jp

今年も、風人として、企画のお手伝いをさせて戴いています。

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いつも、災害や事故がある度に、イベントや展示の告知をためらう事があります。

台風は、範囲があまりに広すぎて、先が見えないのがすごく怖い。台湾でデモ隊が手製爆弾やカッターで人を傷つけ始めたニュースを聞いて、涙がでた。(武器を使い始めたら、本当に反撃されてしまう…)

東日本の地震の時もそうだったけど、あまりに自粛したりためらうのは違うと思っている。僕たちは、みんながいつもの幸せな暮らしを取り戻せることを信じているし、知る、調べる、動く、募金をする、など、出来る事はしているつもりだ。だから、みんなが安心を取り戻した時に世の中が静まり返っているより、華やかで、美しい世界で出迎えなくちゃいけないと思っている。

(その反面、仕事の手を止めて支援に行けるような人には、この上ない尊敬の念を持っています。)

僕たちは決して娯楽のための道具を作っているのではなくて、美しいものを美しいと感じたり、生きていてよかった、明日の喜びを見つけられるものを届けたいと思っている。非常時以外でも、悲しんでいる人がたくさんいる事も知っている。

だから、出来ることはしながら、馳せられる思いを馳せながら、いまよりもっと美しいと思えるものに触れられる世界を作って行きたいです。

日々懸命に、生きることに向かい合っている作家さん達の結晶のような展示会です。

そんな場所で、今年もお手伝い出来る事が本当に嬉しいです。

皆様のご来場、お待ちしております!